みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
先日、お客様より「ファイルサーバ内のExcelファイルのマクロが実行できなくなった」とのご相談がありました。
調査した結果、Windows・Officeのアップデートか仕様変更によりセキュリティが強化され、ネットワーク上のマクロが実行できなくなったことが原因のようでした。
「ネットワーク上のExcel マクロが実行できなくなった」トラブルサポートについてご紹介します。
ネットワーク上のExcelファイルのマクロが実行できなくなった
お客様事務所に訪問し詳細を確認。
VPNで接続している本社のファイルサーバ上にあるマクロ付きExcelファイルと、業務用Webサーバのマクロ付きExcelファイルを開くと、以下の警告文が表示され自動的にマクロが無効化される状況。
”セキュリティリスク・このファイルのソース情報が信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました”
「詳細を表示」すると以下URLの情報が表示されます。
先週までは問題なくファイルサーバ上のExcelマクロを実行できたが、今日から複数の拠点の複数台のパソコンが同時にマクロを使えなくなったとのこと。
ファイルサーバ上のマクロ付きExcelファイルをパソコン(ローカル)に保存するとマクロを実行できることから、Windows Update等のセキュリティ強化によりネットワーク上(ローカルパソコン以外)のマクロ付きExcelファイルを開くとマクロが無効化されるようになったことが原因と想定。
お客様先では主に以下2つの不具合が発生しました。
■VPNで接続している本社ファイルサーバ上のマクロが実行できない
■業務用Webサーバで生成されるExcelファイルのマクロが実行できない
インターネットからダウンロードしたマクロ付きファイルは開けないようにするという情報が以前ありましたが、その仕様が展開された可能性があります。
新しい仕様では以下のフローにてマクロファイルを制御し、最後はマクロは自動的に無効化され警告画面が表示されるようになった模様。
VPN接続先のファイルサーバ上のマクロファイルにも影響がでるようです。
対策としては、マクロ付きExcelファイルが保存されている場所を「信頼できるサイト」としてWindowsに認識させること。
そのために、インターネットオプションの信頼済みサイトに2つのサイトを登録。
- 本社ファイルサーバ
- 業務Webサーバ
信頼済みサイトへへ登録後、セキュリティ警告が表示されなくなり、ネットワーク上のマクロ付きExcelファイルが使えるようになりました。
ネットワーク上のExcel マクロを実行できるようにする手順
ネットワーク上のマクロ付きExcelが開けなくなったのは、マクロファイルの実行で感染するEmotet(エモテット)コンピュータウイルスなどの対策強化と思われます。
これから説明する設定を行うことで、ネットワーク上のExcel マクロを実行できるようになりますがリスクも高まります。
例えば、ファイルサーバ上にEmotetのマクロ付きExcelファイルが保存されていて、そのファイルを実行するとEmotetに感染します。
他にも方法はあると思いますが、今回は以下の方法で対応しました。
- 信頼済みサイトに本社のファイルサーバのIPアドレスを登録する
- 信頼済みサイトに業務WebサーバのURLを登録する
※Windows11の画面で説明していきますが、Windows10でも同様の手順です。
信頼済みサイトに本社のファイルサーバのIPアドレスを登録する
Windows検索窓に「インターネットオプション」と入力し、インターネットオプションを開く
インターネットオプションのセキュリティタブを左クリック
信頼済みサイト → サイトの順に左クリック
このWebサイトをゾーンに追加する欄に以下のようファイルサーバのIPアドレスを入力し、このゾーンのサイトにはすべてのサーバの確認(https:)を必要とするのチェックを外す
file://192.168.0.5
インターネットオプションを閉じる
ファイルサーバ上のマクロ付きExcelファイルを開き「コンテンツの有効化」をクリック
警告画面が表示されず、マクロが実行できることを確認
※Excelトラストセンターにファイルサーバを登録する手順
インターネットオプションの設定変更でマクロが動作しない場合、Excelのトラストセンターにファイルサーバのを登録する方法もあります。
信頼済みサイトに業務WebサーバのURLを登録する
Windows検索窓に「インターネットオプション」と入力し、インターネットオプションを開く
セキュリティタブを左クリック
信頼済みサイト → サイトを左クリック
このWebサイトをゾーンに追加する欄に業務用WebサーバのURLを入力し追加し閉じる
インターネットオプションを閉じる
業務用Webサーバでマクロ付きExcelファイルを生成しダウンロード。
ファイルサーバ上のマクロ付きExcelファイルを開き「コンテンツの有効化」をクリック
Excelファイルが開けることを確認する。
まとめ
今回のネットワーク上のExcelファイルのマクロが動かないトラブルは、事務所のパソコン台数が少なかったため、複数台の設定変更で解決しました。
本社ファイルサーバに接続している拠点パソコンの台数が多い場合は、すべてのパソコンの設定変更をする必要があり大変な作業になってしまうと思います。(上記以外にも方法があるかと思います)
先日のBitlocker回復キー問題もそうですが、最近のWindowsは使えていたものがいきなり使えなくなる事象が多発しています。
問題が発生し調査した結果、Windowsの仕様変更だったということが多いように感じます。
セキュリティ強化のWindows Updateも重要ですが、Windows Updateを行う前にUpdateを行うことでどんな問題が解決できるか、逆にどんな不具合が発生する恐れがあるかなどの事前説明があると助かります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (3件)
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ご親切にありがとうございます。excel マクロ 使用できるようになりました。
Excelマクロが使えるようになって、よかったです。
コメントありがとうございます。