ファイルサーバ・共有フォルダのExcel マクロを実行する2つの方法

みなさん、こんにちは。

埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。

先日、お客様より「ファイルサーバの共有フォルダ内のExcel マクロが実行できなくなった」とのご相談がありました。

Emotet(エモテット)コンピュータウイルスなどのへの対策強化により、ネットワーク上のExcelマクロは無効化されるようになったことが原因でした。

しかし、社内ネットワークにある安全なファイルサーバ内のExcel マクロも実行できなくなるようです。

社内のファイルサーバにマクロ付きExcelファイルを共有して使用することも多いと思います。

ファイルサーバ・共有フォルダ内のExcel マクロは、インターネットオプションかExcelトラストセンターにアフィルサーバを登録することでマクロを実行できますので、その手順をご紹介します。

目次

リモートサポート

ファイルサーバ・共有フォルダのExcel マクロを実行する2つの方法

マクロの警告画面

Windows・Officeのセキュリティ機能強化によりネットワーク上のマクロ付きExcelファイルは、以下警告が表示され、自動的にマクロが無効化されるようになりました。

”セキュリティリスク・このファイルのソース情報が信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました”

「詳細を表示」すると以下URLの情報が表示されます。

このセキュリティ強化により、社内ネットワーク内にあるファイルサーバのExcel マクロも実行できなくなるようです。

新しい仕様では以下のフローにてマクロファイルを制御し、最後はマクロは自動的に無効化され警告画面が表示されるようになった模様。

マクロファイルの制御フロー

クリックすると拡大します

ファイルサーバ上のマクロを有効化させるには、ファイルサーバを信頼できる場所として認識させる必要があり、以下2つの方法で設定する必要があります。

  • インターネットオプションの信頼済みサイトにファイルサーバを登録する。
  • Excelのトラストセンターにファイルサーバを信頼できる場所として登録する。

設定変更は「インターネットオプションの信頼済みサイトにファイルサーバを登録する」方法が簡単です。

今回は下記システム構成を例とします。Windows11の画面で説明していきますが、Windows10でも同様の手順です。

VPN接続例

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※今回のWindowsのセキュリティー強化は、マクロファイルの実行で感染するEmotet(エモテット)コンピュータウイルスなどの対策強化と思われます。

これから説明する設定を行うことで、ネットワーク上のマクロ付きExcelファイルを実行できるようになりますがリスクも高まります。

当情報は参考程度として、操作・判断はご自身の責任において行ってください。コメント欄での質問は受けつけておりませんので、あらかじめご了承ください。

インターネットオプションの信頼済みサイトにファイルサーバを登録する方法

Windows検索窓に「インターネットオプション」と入力し、インターネットオプションを開く

インターネットオプション

インターネットオプションプロパティのセキュリティタブを左クリック

信頼済みサイト → サイトの順に左クリック

このWebサイトをゾーンに追加する欄に以下のようファイルサーバのIPアドレスを入力し、このゾーンのサイトにはすべてのサーバの確認(https:)を必要とするのチェックを外す

file://192.168.0.5

インターネットオプションを閉じる

ファイルサーバ上のマクロ付きExcelファイルを開き「コンテンツの有効化」をクリック

警告画面が表示されず、マクロが実行できることを確認

心理カウンセリング空

Excelトラストセンターにファイルサーバを登録する方法

VPN接続例

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ファイルサーバと同じネットワークの本社パソコンと、VPNでファイルサーバに接続する拠点パソコンのExcelトラストセンターの設定は異なります。

ファイルサーバと同じネットワークのExcelトラストセンター設定方法

Excelを起動してオプションを開く

Excelのオプションを開く

左側メニューのトラストセンターを選び、トラストセンターの設定を開く

Excelトラストセンター

左側メニューの「信頼できる場所」を左クリック

トラストセンター信頼できる場所

「自分のネットワーク上にある信頼できる場所を許可する(推奨しません)にチェックを入れて、OKを左クリック

トラストセンター信頼できる場所

「OK」を左クリックしてExcelのトラストセンターを閉じる

ファイルサーバ上のマクロ付きExcelファイルを開き、セキュリティー警告画面が表示されないこと、マクロが実行できることを確認する。

拠点パソコンからExcelトラストセンター設定方法

VPN接続例

クリックすると拡大します

VPNで拠点間接続をしている場合、拠点から本社のファイルサーバの名前解決(コンピュータ名とIPアドレスを変換すること)ができないため、拠点のパソコンではIPアドレスでファイルサーバへアクセスしていると思われます。

しかし、Excelのトラストセンターは信頼できる場所をIPアドレスで登録できません。

そのため、拠点パソコンで以下の設定が必要になります。

  1. HOSTSファイルを変更する
  2. ExcelのトラストセンターにファイルサーバをUNC名で登録する
  3. 拠点パソコンのショートカットを変更する。
  4. Windows資格情報でファイルサーバを登録する(パススルー認証未設定の場合)

1.HOSTSファイルを変更する

HOSTSファイルとは、IPアドレスとコンピュータ名を変換するためのWindows設定ファイルです。

HOSTSファイルにコンピュータ名とIPアドレスを登録することでコンピュータ名でアクセス可能となります。

1-1 Windows検索窓に「メモ」と入力

メモ帳を開く

1-2 メモ帳を右クリックして「管理者として実行」を左クリック

管理者でメモ帳を開く

1-3 このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますを「はい」を左クリック

1-4 ファイルを開くから以下パスのフォルダを開き、ファイルの種類を「すべてのファイル」に変更する
C:\Windows\System32\drivers\etc

1-5 hostsファイルを開く

1-6 hostsファイルに、本社ファイルサーバのIPアドレスとコンピューター名を入力し、hostsファイルを上書き保存

hostsファイルに記述
例)192.168.0.5 file-server

1-7 メモ帳を閉じる

2.ExcelのトラストセンターにファイルサーバをUNC名で登録する

2-1 Excelを起動し「オプション」を左クリック

Excelのオプションを開く

2-2 左側メニューの「トラストセンター」をクリックし、「トラストセンターの設定」を左クリック

Excelトラストセンター

2-3 左側メニューの「信頼できる場所」をクリック

トラストセンター信頼できる場所

2-4 「自分のネットワーク上にある信頼できる場所を許可する(推奨しません)」にチェックを入れる

トラストセンター信頼できる場所

2-5 続いて「新しい場所の追加」を左クリック

トラストセンター信頼できる場所

2-6 パスに1-6で設定したファイルサーバのUNC名を以下の例のように入力。続いて、この場所のサブフォルダーも信頼するにチェックを入れて、OKを左クリック

トラストセンター信頼できる場所

2-7 信頼できる場所の一覧にファイルサーバが登録されたことを確認しOKを左クリック

2-9 Excelオプション画面もOKを左クリックし設定完了

3.拠点パソコンのショートカットを変更する

VPN接続例

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VPNで拠点間通信を行っている場合、拠点パソコンからファイルサーバへのアクセスはIPアドレスのパスでショートカットが作ってあることが多いと思います。

Excelトラストセンターの仕様では、トラストセンターに登録した名前でファイルを開く必要があるため、IPアドレスのショートカットパスではマクロを有効にできません。そのため、ファイルサーバへのショートカットのパスもUNC名に変更する必要があります。

3-1 ファイルサーバへのショートカットを右クリックしプロパティを表示

3-2 ショートカットタブのリンク先のパスをUNC名に変更する

3-3 OKをクリックする

3-4 エクスプローラーのパスが変わったことを確認し、ネットワーク上のマクロ付きExcelファイルを開き、警告が表示されないこと、マクロが動くことを確認する。

この設定でネットワーク上のマクロファイルを実行できます。

※ショートカットのリンク先をUNC名に変更したとき「受け側に指定されたパス名xxxxは無効です。パスとファイル名が正しいか確認してください」とエラーが表示された場合は、拠点パソコンのWindows資格情報にファイルサーバの認証情報を登録する必要があります。

4.Windows資格情報にファイルサーバを登録する(パススルー認証未設定の場合)

ファイルサーバと拠点パソコンで異なるログインアカウントを使用している場合(パススルー認証未設定の場合)、UNCでもファイルサーバにアクセスできるようにするためにWindows資格情報でファイルサーバを再登録する必要があります。

コントロールパネルのユーザーアカウントを開く

Windows資格情報の管理を左クリックし、続いてWindows資格情報の追加を左クリック

ファイルサーバにアクセスするために必要は以下3つの情報を入力しOKをクリック


Windows資格情報にfile-serverが登録されたことを確認

手順3-2に戻り、ショートカットのパスを変更する。

まとめ

繰り返しになりますが、ファイルサーバ上にあるExcel マクロを実行できるようにするためには主に2つの方法があります。

  • インターネットオプションの信頼済みサイトにファイルサーバを登録する。
  • Excelのトラストセンターにファイルサーバを信頼できる場所として登録する。

設定変更は「インターネットオプションの信頼済みサイトにファイルサーバを登録する」方法が簡単です。

「インターネットオプションの信頼済みサイトにファイルサーバを登録する」方法がうまく動かないといったときに、今回ご紹介したExcelのトラストセンターの変更をお試しください。

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