Office付きPCを買ったのに使えない――Microsoft Office 2024認証仕様の落とし穴

みなさん、こんにちは。

埼玉県ふじみ野市の ITサポートSORA の関口です。

私は日々、さまざまなお客様からパソコンやITシステムに関するご相談を受け、サポートを行っています。

そのような仕事をしていると、「あれ? 何かが変わったな」と気づくことが多々あります。

最近、その変化に気づいて驚いたのが、Microsoftのプリインストール・永続版Officeのライセンス認証方法の変化です。

この変更は非常に大きな問題を含んでおり、今後の火種になると感じたため、ここで共有しておきます。


目次

リモートサポート

プリインストール・永続版Officeが「ない?」と感じた体験から

先日、ご高齢のお客様から 「パソコンを買い替えたので初期設定をしてほしい」 というご依頼をいただきました。

お宅に伺い、パソコンの開梱から作業を開始。

富士通製のノートパソコンです。

いつも通り Windows 11 の初期セットアップを行い、Microsoftアカウントの登録へ進みました。

そして最後に Office 2024 Home & Business のアクティベーションを行おうとしたところ、異変に気づきました。

Office 2024 Home & Business(プリインストール・永続版)が見当たらない。

Officeを起動しても、前面に表示されるのは Microsoft 365(サブスクリプション) の案内ばかりで、 Home & Business がどこにも表示されないのです。

Microsoftアカウントのサブスクリプション一覧、Microsoft Store を確認しても、 Office 2024 Home & Business のライセンスは見つかりません。

お客様に 「Office付きのパソコンを購入されましたか?」 とお聞きすると、「よくわからない」とのこと。

そこで購入した販売店に確認したところ、「Office 2024 Home & Business プリインストール版です」との回答でした。


プリインストール・永続版 Office 2024 Home & Business の仕様変更

調べてみて分かったのは、これは不具合ではなく現在の正式な仕様 だということです。

これまでは、Office 2024 Home & Business(プリインストール・永続版)は、 Microsoftアカウントでサインインすれば、そのまま永続版としてアクティベーションされ、すぐに利用できました。

しかし、現在は以下の流れに変更されています。

  1. Officeを初回起動するとMicrosoft 365(サブスクリプション体験)が最優先で表示される
  2. そのまま利用を続け、3か月経過すると「このデバイスに付属の Office Home & Business」を選択できるようになる

つまり、最初から Home & Business を使わせない仕様に変わっている、ということです

この仕様については、東芝さんのHPで詳しく解説されています。

東芝のHPより引用(https://dynabook.com/assistpc/faq/pcdata3/019722.htm

ポイントだけ要約すると、以下のとおりです。

  • Microsoft 365 Personal(サブスクリプション)とMicrosoft Office Home & Business 2024 の いずれかを選択
  • 最初の 3か月間(お試し期間)は Microsoft 365 Personal のみ利用可能
  • お試し期間中に Microsoft 365 を選択すると、残り19か月は無料で利用可能
    ※クレジットカード登録が必須
  • Microsoft 365 を選択すると、Microsoft Office Home & Business 2024 は利用不可
  • お試し期間終了後にMicrosoft Office Home & Business 2024 選択可能。
    ※ただし お試し期間終了後90日以内に選択しないと、Office自体が使用不可

実際に Office を起動すると、以下のメッセージが表示され、 プリインストール版の Office を選択することはできませんでした。

Officeインストール時の画面

デバイスには 24 か月の Microsoft 365 Personal が付属しています。
3 か月のお試し期間中にお支払い方法を追加していただくと、合計で 21 か月無料で利用できます。
または、3 か月のお試し期間終了後、Office Home & Business 2024 に切り替えることもできます。
Microsoft Copilot、高度なセキュリティ、1TB のクラウドを備えた強力な生産性アプリを、1 つのプランで利用できます。

3ヶ月後にOfficeに以下のメッセージが表示され、Home & Business 2024に切替えられるようです。

東芝のHPより引用(https://dynabook.com/assistpc/faq/pcdata3/019722.htm

マイクロソフトの思惑と、大きな2つの問題点

なぜ、プリインストール版 Office のアクティベーション仕様を変更したのでしょうか。

理由はシンプルで、 Microsoft が売りたいのはサブスクリプションだから だと思います。

買い切り版(Home & Business)は一度きりの収益ですが、 Microsoft 365 は継続課金です。

当然、サブスクを「標準」にしたい という意図が見えてきます。

そのため、プリインストール版が付属していても、 まずはサブスクを体験させ、あとから買い切り版に戻す、 という導線が作られています。

そして、この仕様変更には 大きな問題が2つ あります。


問題1:購入内容とサービス内容が一致していない

今回のお客様は、 Office 2024 Home & Business 永続版ライセンス を パソコン本体代に含めて購入しています。

にもかかわらず、表示されるのは Microsoft 365 Personal のサブスクリプション案内のみ。

しかも、3か月間 Microsoft 365 を使わないと、永続版を使えないという状況です。

これは非常に違和感があります。

そして、この仕組みは、次の問題への布石だと個人的には感じています。


問題2:お試し期間中の OneDrive 容量が 1TB になる

Microsoft 365 のお試し期間中は、OneDrive の保存容量が 1TB になります。

Windows 11 の OneDrive 初期設定は以下の通りです。

  • バックアップが有効
    (デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ)
  • ファイル オンデマンドが有効

その結果、ユーザーが意図しないまま、 パソコン内のデータがすべて OneDrive に保存されていきます。

しかも、ファイルオンデマンドが有効のため、パソコンにはファイルデータの実体すらありません。

この状態で3ヶ月使用し、 その後 Home & Business に切り替えると、 OneDrive の容量は 5GB に戻ります。

すると、以下の問題が一気に発生します。

  • 容量オーバー
  • 同期エラー
  • ファイルが開けない
  • バックアップ停止
  • 「容量を増やしてください」という警告表示

結果として、「よく分からないから、このままサブスクを続けようか」という心理が生まれやすくなります。

これは偶然ではなく、 よく設計された導線 だと感じざるを得ません。

実際、ユーザーが意図せず OneDrive が動作したことによる トラブル相談は後を絶ちません。


Office 2024 Home & Business 永続版ライセンス仕様変更への対策

OneDriveの設定画面

この Office の認証仕様は、今後も変わらず、 むしろ標準になっていく可能性が高いと考えられます。

その中で最大の問題は、 意図せず OneDrive に大量のデータが保存されてしまう点 です。

そのため、Windows 11 パソコンを購入し、 OneDrive を利用しない方 は、 Office のライセンス認証後、できるだけ早い段階で OneDrive の設定見直し、またはアンインストールをおすすめします。

OneDrive の設定・対策

OneDrive の設定画面から、以下を確認・実施してください。

  1. ファイル オンデマンドを OFF
    (すべてのデータを PC にダウンロード)
  2. OneDrive のバックアップ機能を停止
  3. OneDrive のリンクを解除
  4. OneDrive をアンインストール

※OneDriveバックアップを停止するとファイルパスが変わります。その結果、一部のOutlookやアプリケーションで不具合が生じる可能性があります。
※Windows Update 等のタイミングで OneDrive が再インストールされる可能性があります。

引き続き、OneDrive の通知やポップアップには注意が必要です。


まとめ

プリインストール版 Office を購入しているにもかかわらず、

  • すぐに使えない
  • サブスクが前面に出てくる
  • 後から OneDrive の問題を引き起こす

この一連の流れは、 親切とは言い難い と感じます。特に今回サポートしたご高齢の方ならなおさらです。

私は仕事で OneDrive をメインに利用していますが、 OneDrive の技術自体に大きな問題があるとは思っていません。

にもかかわらず、 OneDrive に起因するトラブル相談が後を絶たないのが現実です。

問題の本質は、Microsoft のサービスの売り方 にあります。

正直な感想としては、 一般の利用者目線で見ると「詐欺っぽく」感じてしまっても不思議ではないという印象です。

パソコンと、その中のデータは誰のものでしょうか。

当然、個人のものです。

しかし最近の Microsoft を見ていると、 個人データも Microsoft のものだと 勘違いしているのではないかと感じてしまいます。

IT サポートの現場にいる立場として、 この仕様変更は、今後さらに混乱とトラブルを生む 大きな火種になると感じています。

皆様のご参考になれば幸いです。

動画でも解説しています。

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