Windows11で突然ネットにつながらない!原因はIPv6通信の不具合トラブルサポート

みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市の ITサポートSORA の関口です。

最近、「Windows11で突然インターネットにつながらなくなった」というご相談が増えています。

LANケーブルも問題なし、Wi-Fiもつながっているのに、なぜかブラウザだけが開かない――。

実はこのような症状の多くは、IPv6通信の不具合が原因で起きています。

WindowsはIPv4とIPv6の両方に対応していますが、通常は「IPv6を優先」して通信する仕組みです。そのため、IPv6が中途半端に不安定な状態になると、「通信不能」に見えることがあります。

先日、東松山市のお客様から「事務所内の1台だけ、突然インターネットにつながらなくなった」というご相談をいただきました。リモートサポートで調査した結果、IPv6でのみ通信ができず、IPv4では問題なしという現象でした。

試しに Windows 11 で IPv6 を無効にしたところ、すぐに通信が回復。

ある日突然 IPv6 が使えなくなった原因は、Windows Update かネットワークドライバ更新の影響と考えられました。

今日はそのことについて書いていきます。

目次

リモートサポート

1. 事務所の1台だけインターネットにつながらない

お客様に詳しくお話を伺うと、「ある日突然、1台の Windows11 だけインターネットに接続できなくなった。ただし、銀行系のWebサイトや事務所内プリンタの印刷は問題ない」とのことでした。

リモートサポートを試みましたが、問題のPCではリモートソフトのダウンロードサイトにも接続できません。

そこで、別のPCでリモートソフトをダウンロードし、問題のPCに転送して起動したところ、ようやく遠隔操作が可能になりました。

実際に確認すると、MSN や Google など主要サイトにはつながらず、 銀行系サイトだけは正常に表示されるという状態。

デバイスマネージャーにはエラーなし。

ネットワーク診断ツールで IPv4 の通信を確認すると、Ping や DNS は正常。

一方で IPv6 では Ping・DNS ともに接続エラーとなることがわかりました。

そこで、Windows のネットワーク設定から インターネットプロトコル(IPv6)を無効化 したところ、すべてのインターネット通信が正常に回復しました。

この結果から、原因は回線やルーターではなく、 特定PC側のIPv6スタックまたは通信経路の不具合 と判断しました。

Windows11でPv6を無効にするには、 「ネットワーク接続」→「アダプターのプロパティ」→「インターネット プロトコル バージョン6(IPv6)」のチェックを外すだけです。

Windows11のIPv6設定変更画面

Windowsを再起動しても状況は変わらなかったため、 NIC(ネットワークアダプター)ドライバの不具合 の可能性が高いと考えられます。

リモート対応のためドライバ更新までは行わず、 「当面はIPv4のみ運用のリスク」をお伝えしてサポートを終了しました。

2. IPv4とIPv6の違い

インターネットにつながるパソコンやスマホには、それぞれ「IPアドレス」という住所のような番号が割り振られています。
このIPアドレスには「IPv4」と「IPv6」という2種類があります。

  • IPv4:1980年代から使われてきた古い仕組み。
    例)192.168.1.10
    利用できる数は約43億個しかなく、すでに世界的に枯渇しています。
  • IPv6:新しい仕組み。
    例)2400:abcd:1234::1
    ほぼ無限に利用可能で、今後のインターネット基盤となる技術です。
    通信効率やセキュリティ面も強化されています。

簡単に言えば、IPv4は「古い住所制度」/IPv6は「新しい住所制度」です。

現在はどちらも使えますが、世界的には少しずつIPv6への移行が進んでいます。

3. WindowsではIPv6が優先される仕組み

現在は IPv4 → IPv6 への移行期であり、Windows ではどちらの通信方式も利用できます。

ただし、IPv6が利用可能な環境ではIPv6が優先される 仕組みになっています。

そのため、IPv6経路が不安定だと通信がIPv6側で止まり、IPv4に切り替わるまで時間がかかる、あるいは全く繋がらないように見える現象が発生します。

この考え方は 「Happy Eyeballs(RFC6555)」 と呼ばれ、「IPv6で接続を試し、応答が遅い場合はIPv4に切り替える」仕組みです。

ただし、今回のように IPv6 が中途半端に反応している場合、Windows はIPv4にすぐ切り替えず、結果として “つながらないように見える” 状態になります。

今回のトラブルも、IPv6で接続エラーが出ているにもかかわらず、IPv4への切り替えが行われなかったことが原因の一つと考えられます。

ちなみに、銀行系Webサイトのみが表示されたのは、そのWebサイトがIPv4のサイトだったからです。

4. IPv4のみで運用した場合の注意点

今回は応急処置としてIPv6を無効化しましたが、 長期的に「IPv4のみ」で運用することにはいくつかのデメリットがあります。

最近では、GoogleやMicrosoftなど IPv6に最適化されたサービス が増えています。
IPv4のみで接続すると、通信経路が遠回りになったり、速度が低下することもあります。

観点IPv4のみ運用の問題点
技術面IPv4アドレスは枯渇しており、ISPでは共有アドレス(CGN)化が進んでいる
性能面IPv6最適化サービス(Google、Microsoftなど)で速度・経路が不利になる
接続性IPv6専用サーバーや一部クラウドAPIに接続できない可能性
運用面IPv6前提のセキュリティ・認証設計が進み、将来的に制約が増える
管理面社内でIPv6機器が混在すると通信経路が不整合を起こす可能性

5. まとめ

今回のケースでは、IPv6を無効化することで一時的に通信は回復しましたが、 本質的には IPv6スタックやNICドライバの不具合 が原因と考えられます。

Windows Update後に発生した点からも、 ネットワークアダプターのドライバ更新による影響が濃厚です。

IPv6を無効にするのは一時的な対処法として有効ですが、 最終的には 「IPv6でも安定して通信できる環境を整える」 ことが大切です。

埼玉県ふじみ野市周辺で、ネットワークやパソコンのトラブルにお困りの方はお気軽にご相談ください。

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