みなさん、こんにちは。
私は埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
インターネットの普及に伴い、さまざまなネットサービスが登場しました。
しかし、当初の先進的なサービスも、時が経つと終わることがあります。
私はホンダ車に乗っています。ホンダ車には「インターナビ(internavi)」というインターネットに常に接続されているナビゲーションシステムがあり、この機能が気に入っていたので、インターナビが利用できるホンダ純正ナビを使い続けていました。
しかし、2024年5月頃から私のインターナビは突然インターネット非接続となりました。
以前から「ソフトバンクの3Gサービス終了により一部のインターナビが使えなくなる」という情報がありましたが、自分のインターナビがその影響を受けるとは思っていませんでした。
インターナビが気に入って高額な純正ナビを使っていたのに、10年も経たないうちにサービスが利用できなくなるとは、残念なことです。
そこで、何か対応方法がないかを考えてみました。今回はその内容について書きます。
ホンダ インターナビ(internavi)とは
まず、インターナビについて説明します。
インターナビは、Hondaが提供する「通信型ナビ」で、通常のカーナビでは把握できない渋滞情報、災害情報、安否情報などを提供します。
具体的には、ホンダ車のナビにインターネットへの通信機能を搭載し、その情報をホンダが集約することで、VICS以外のホンダ独自の交通渋滞情報の提供、渋滞情報を踏まえたルート設定、走行エリアや目的地の天候情報などを提供するネットワーク型ナビゲーションシステムです。
インターネットへの接続は、ダッシュボード内のリンクアップフリー通信機を通じて行われ、ソフトバンクのSIMが使用されています。
ホンダの車検を通すという条件付きですが、インターナビの接続費用は「リンクアップフリー」で無料です。
現在、GoogleMapでも渋滞情報が表示されますが、インターナビは早くからインターネットに対応し、独自の渋滞情報を提供していました。
個人的には、ホンダ独自の渋滞情報と走行エリア・目的地の天候案内が便利だと感じています。
ソフトバンクの3Gサービス終了に伴う問題
インターナビはインターネットに常時接続するためにリンクアップフリー通信機能を備えています。
通信機には3G対応(HSK-600G)と4G対応(HSK-1000G)の2種類があり、どちらもソフトバンクのSIMが使用されています。
ソフトバンクは2019年12月に「2024年1月に3Gサービスを終了する」と発表しました。
しかし、能登地震等の影響で、サービス停止時期は2024年4月15日まで延期されまていましたが、4月以降にソフトバンクは3G電波を順次停止しており、私のインターナビも5月に接続不能となりました。
ホンダの公式ウェブサイトによれば、一部の車種では4G通信機への切り替え対応を行っているとあります。
私は2017年に新車で購入したステップワゴンの純正ナビを使用していますが、ディーラーに確認したところ、私のナビは4G通信機に「非対応」とのことでした。
本当に「非対応」なの?という疑問
今回、ソフトバンクの3Gサービスが停止し、その結果として、3G対応(HSK-600G)の通信機を使っていたインターナビがインターネットに接続できなくなりました。
しかし、技術的に考えれば、インターナビはインターネットに接続する手段があればよいので、3Gでも4GでもBluetoothでも、接続環境が整っていれば問題ないはず。
1世代前のインターナビでは、AndroidスマホのBluetooth ダイヤルアップアプリ”BlueDU+“やウィルコムのSF通信カードを使ってインターネット接続していたため、通信規格は変わっていないはずです。
また、ネット上には「4G対応(HSK-1000G)に交換したら接続できた」という情報もあり、私のステップワゴンのナビが4G対応(HSK-1000G)通信機を認識すれば、まだインターネットに接続できるのではないかと考えました。
そこで、中古の4G対応(HSK-1000G)通信機を購入しました。
しかし、どのSIMカードを使うべきか、これまで使っていたSIMを使うべきか、それとも中古で購入したSIMを使うべきかは悩みました。その問題も含めて検証しました。
まず、私のインターナビの通信機を3G対応(HSK-600G)から4G対応(HSK-1000G)に交換。結果、インターナビはインターネットに接続できました。
次に、4G対応(HSK-1000G)に古いSIM(3G)を差し替えたところ、接続エラーが発生しました。
逆に、3G対応(HSK-600G)に新しいSIM(4G)を差し替えても接続エラーが発生しました。
この結果から、4G対応(HSK-1000G)通信機+4GSIMをそのまま使うことが正解であることがわかりました。
ただ、一つ問題が残ります。
中古で入手した4G対応(HSK-1000G)はいつまで使えるのか?という疑問です。
中古の4G対応(HSK-1000G)通信機はいつまで使えるのか?
技術的には、4G対応(HSK-1000G)に交換することで、私のインターナビは常時接続可能となることが確認できました。
しかし、サービス面でのインターナビの使用期限は不明です。
ホンダからの説明では、車検時に更新手続きをすればインターナビの接続費用は「リンクアップフリーで」無料になるとのことです。
私はこれまでインターナビの更新手続きをしたことがないので、おそらくホンダで車検を通せば自動的に更新されいたものと推測します。
逆に、車検を通さなければ別途費用を請求されるか、サービスが停止される可能性があります。
これは、ホンダが何らかの情報を元にインターナビの接続管理を行っていることを示しています。
では、どの情報を元にホンダは接続管理を行っているのでしょうか。
考えられる情報は以下の3つです:
- 純正ナビの固有番号等
- リンクアップフリー通信機の固有番号等
- SIMカードのIMEI番号等
純正ナビの固有番号で接続管理を行っている場合、私がホンダで車検を通し続ければインターナビは使用し続けられると考えられます。
リンクアップフリー通信機の固有番号やSIMカードのIMEI番号で接続管理を行っている場合、中古で入手した通信機のため、前の持ち主がホンダで車検を通さないと接続が解除される可能性があります。
さらに、私は本来3Gを使っていて既にサービスを停止したユーザーなので、ホンダが何らかのタイミングで3Gユーザーの接続情報を一斉に停止する可能性もあります。
しかし、これらはネットワーク技術の問題ではなく、サービスの接続管理の問題です。
ホンダに対する不満点
これまでの検証から、「非対応」とされるカーナビでも4G対応(HSK-1000G)通信機に交換することでインターナビがインターネットに接続可能であることが判明しました。
では、ホンダが「非対応」としている理由は何でしょうか。
ホンダのウェブサイトには、ホンダ純正ナビでも古いナビでは、4G通信機の動作確認ができていないとの記載があります。
先ほども述べたように、ナビから見ればインターネットに接続できれば通信機の種類は問題ではありません。
ホンダの純正ナビを使用しているにも関わらず、通信機の動作確認ができないという理由は納得できません。
また、通信サービスが終了しても、通常のカーナビゲーションとしての機能は変わらず使用できるとあります。
しかし、ホンダ純正ナビを選んだ人々は、インターナビの魅力に引かれたからこそ、高価な純正ナビを選んだと思います。
それを「電波が止まったから、通常のカーナビゲーションとしてご使用ください」というのは、非常に残念な対応です。
ソフトバンクの3Gサービス停止に伴う通信機の交換は仕方がないとは思います。
しかし、有償交換の案内や代替手段の提案もなく「ただ非対応です」「通常のカーナビとしてご利用ください」と言ってしまうのはどうなのでしょうか。
高額な純正ナビを購入したのに、そのインターナビ機能が10年も経たないうちに一方的にサービスが停止されたことが、ホンダに対する不満点です。
ただ、最近のホンダ車のカーナビからインターナビの言葉は消え、Honda Connectに変わっているようです。
Honda Connectでは、ホンダ車同士の渋滞情報の共有について記載がありません。
ホンダはインターナビのサービスを停止したいのが本心ではないかと個人的には感じます。
スマートフォンカーナビの導入
今回のインターナビ問題をきっかけに、カーナビについて見直すことにしました。
古い車載ナビの最大の問題は、地図データが更新されないことです。
私のナビも2018年以降地図の更新が止まり、最近の新しい道路が表示されません。
インターナビがいつまで使えるか不明のため、カーナビ機能はスマホアプリに移行し、車載のカーナビは現在地表示の役割に留めることにしました。
まず、スマホ(iPhone)をカーナビとして使うために、ESRの充電器型車載ホルダーを購入し、iPhoneを充電しながらカーナビとして使える環境を整えました。
続いて、スマホカーナビアプリの4つを検証しました。
- Googleマップ
- Yahooカーナビ
- Appleマップ
- トヨタ moviLink
検証の結果からiPhoneでは、”トヨタ moviLink”アプリが使いやすいと感じました。
Googleマップは最短でルートを選択するため、狭い道でも案内してしまいます。
渋滞回避時のルート設定がAppleマップよりもトヨタ moviLinkが優れていると感じました。
位置情報から交通状況を考慮した案内が可能なため、スマホカーナビアプリで十分だと思いました。
まとめ
インターネットが普及してから約20年が経過しました。
当時、先進的だったサービスも20年経つと陳腐化します。
発売当時のインターナビは非常に先進的でしたが、スマートフォンの普及とともにGoogleMapやYahooカーナビなどの無料アプリが登場しました。
加えて、スマートフォンの位置情報を利用して渋滞情報をリアルタイムに表示するなど、インターナビ以上の機能が使用されています。
その結果、ホンダはインターナビの付加価値が見出せず、システム運用費やユーザーの通信料負担を考慮すると、将来の方向性が検討されていると個人的には思います。
そのため、今回はソフトバンクの3Gサービス終了を機に一部ユーザーのサービスが停止したのではないかと、個人的には推測します。
このような観点から、現在利用できている4G通信もいずれは使えなくなると考えられます。
技術の進歩が早い現代では、サービスの更新や停止は避けられません。
しかし、代替提案するなどの姿勢が重要であると、今回の事例から感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
関口様
貴兄のリポート非常に参考になりました。私も長くホンダ車に乗っておりますが、ホンダは当初、初代プレリュードに自社開発ナビを搭載しましたが、あまり普及しなかったようです。
私は最初はビガーにSONY製のナビを後付けで使用しました。当時としては高額でしたが、便利に活用しておりました。その後にワンボックスの変わり種“エディックス”に変え、その時が最初のインターナビ使用だったと思います。現在は
CR-Zが発売されてすぐに購入し、現在に至っておりますが、本年4月に二度目の接続問題に直面しました。一度目はPHS電波を使用していたため通信不可となったため、無償交換を拒絶されましたがディーラーに交渉して3G通信モジュールに交換しました。
二度目の今回もディーラーに交換を要請しましたが、メーカーとして対応していないと断られました。しかし、多くの方がインターネット上で中古で販売されている4G通信機器HSK-1000Gに交換することで解決されたとの情報を知りました。
インターネット上で貴兄のインフォメーションを拝見し、非常に説得性のある内容に共感し、HSK-1000Gを購入して通信が回復しております。
私は創業者である本田宗一郎氏を尊敬し、他のメーカーとは発想を異にする精神に賛同してホンダ車を乗り続けております。残念ながら、その魂はすでに薄れてきているようです。
最後になりますが、今回の問題の解決の後押しをして戴いたことを大変感謝しております。有難う御座いました。
高木様
HSK-1000Gでインターナビの通信が回復してよかったです。
その後、私のインターナビもHSK-1000Gで問題なく通信できておりますので、ホンダが「対応していない」と回答しているのが残念ですね。
インターナビは便利なので、HSK-1000Gで長く使えればいいなと思います。
ご丁寧にコメントありがとうございました。