みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
最近では、さまざまな分野でAIの活用が進み、私たちの生活により身近な存在となっています。
先日、「AI対応の小型ボイスレコーダーが実際に使えるか評価してほしい」とのご依頼をいただきました。
PLAUD NOTEは、AI対応のボイスレコーダーとして有名な製品です。
私自身も以前から興味がありましたので、今回、動作検証を行うことにしました。
人気商品ということもあり、すでに紹介記事や動画も数多く出回っています。
そこでこのブログでは、「AI機能が実際に使えるのか?」「AI機能はどのような影響を与えるのか?」という視点に重点を置き、製品を評価していきたいと思います。
AI対応ボイスレコーダー PLAUD NOTEとは
PLAUD NOTEを一言で表すと、AI対応の小型ボイスレコーダーです。
従来のボイスレコーダーは音声を録音して再生するのみでしたが、PLAUD NOTEは、録音した音声をAI(ChatGPT)が文字起こししたり、要点を自動でまとめたりする機能を搭載しています。
なお、月300分まではAI機能を無料で利用でき、超過分は有料プランへの契約が必要となります。
AI機能を使用しない場合でも、通常のボイスレコーダーとして問題なく使用できます。

PLAUD NOTEの主な機能
- 縦85.6mm × 横54.1mm × 厚さ2.99mmの薄型本体(iPhone MagSafe対応)
- 最大30時間の連続録音(スタンバイ状態では最大60日間)
- 64GBのストレージ(最大240日分の録音保存可能)
- AI機能(文字起こし・要約・マインドマップ等を月300分まで利用可能)
- iPhoneの通話録音に対応
- Web連携機能(録音・文字起こしデータのアップロード)

PLAUD NOTEのセットアップ
使用開始には以下の手順が必要です。
- スマートフォンにPLAUD NOTEアプリをインストール
- PLAUD NOTEアカウントを作成
- PLAUD NOTEアプリと本体をBluetoothでペアリング




PLAUD NOTEの使い方

PLAUD NOTEは、通常録音と音声通話録音を本体スイッチで切り替えて使用します。
- 本体のスイッチで録音モードを切り替え
- 録音ボタンを長押しして録音開始(本体が1回振動)
- 録音ボタンを再度長押しして録音終了(本体が2回振動)
- 録音データをスマートフォンへ転送(BluetoothまたはWi-Fi)
- PLAUD NOTEアプリで録音データを再生
- 必要に応じてAI機能で文字起こし
- Web版で文字起こしデータの確認・編集・エクスポート




PLAUD NOTEのレビュー
今回は以下3つのシーンで録音性能・AI機能を検証しました。
- 8人参加の会議音声(120分)
- 友人との1対1の通話音声(60分)
- 衆議院 安全保障委員会の公開動画の冒頭1時間の音声(令和7年4月10日 国会中継)
録音性能
3シーンとも非常にクリアな音質で録音でき、遠くに座った人の声もしっかり拾えていました。
私が普段使用しているSONY製ICレコーダーよりも録音音質は優れていると感じました。

AI機能
文字起こし機能

音声データからの文字起こしは、数分で完了しました。
話者ごとに段落が切り替えられ、音声から文字への変換精度も非常に高いと感じました。
PLAUDアプリ・Web版ともに、文字データ上をクリックすると該当箇所の音声が再生されるため、確認作業も非常にスムーズでした。
ただし、専門用語や遠くから発言された声については、誤変換がやや多く見受けられました。
要約機能

文字起こしデータを元に、AIが議事録風に要約する機能です。
トピック別に見出しを立て、ToDoリストを作成することも可能です。

しかし、実際の会議においてAI要約の一部に「意味の取り違え」が見られました。
【例】
- 実際の発言:営業所の所長と田中さんが担当する。
- AI要約:営業所所長の田中さんが担当する。
- 実際の発言:A部品を分解して取り外す
- AI要約:A部品を交換して取付ける
このように、わずかな違いでも責任範囲が誤って伝わるリスクがあるため、最終チェックは必須だと感じました。
マインドマップ機能

要約結果をマインドマップ化する機能もありますが、実用性は高くないと感じました。
(単なる視覚化ツールに留まっており、実務にはあまり直結しない印象です)
PLAUD NOTEのAI機能は実際に使えるか?

結論として、使える便利な機能だと感じました。
たとえば、2時間の会議を手作業で議事録にまとめると1時間以上かかるところを、PLAUD NOTEのAI機能を使えば数分でベースが完成し、その後は修正と補足に集中できます。
また、テキストをクリックすれば該当音声だけを再生できるため、「この発言、どういう意味だっけ?」という確認作業も非常にスムーズでした。
特に、理路整然と進行する会議には抜群の効果を発揮すると感じました。
一方で、議論が錯綜するような会議では、文字起こしが曖昧になりやすく、人間の記憶と補完しながら使う必要があると実感しました。
AI機能が与える影響について

PLAUD NOTEのAIは、記憶の補助ツールとしては非常に優秀ですが、あくまで「記憶を置き換えるものではない」と考えるべきです。
- 誤変換や誤訳が起こりうる
- 誤変換に基づいて、それらしい要約が作られる
- 気づかずにそのまま議事録化すると、大きなリスクになる
特に、議論が活発な会議では、人間の意識と記憶を重視する必要があると強く感じました。
まとめ
総評として、PLAUD NOTEは非常に優れた製品だと感じました。
AI機能を活用すれば、業務効率は格段に向上します。
しかし、生成AIは「もっともらしい誤訳」を出すリスクを持っているため、
常に人間が最終チェックをする意識が必要です。
AIを活用することで便利になる一方、AI依存による誤解リスクが、
今後の社会問題になっていく可能性も感じました。
【余談】
国会中継の録音文字化を試したところ、「結論のない議論」が可視化され、ある意味で日本の課題が浮き彫りになった気がしました。

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