みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市でパソコンサポートを行っているSORAの関口です。
このホームページ(http://it-sora.net)のサーバーは、今までネットオウル社の”minibird”レンタルサーバーで運用をしてきたのですが、アクセス数の増加と、新サイトを立ち上げるにあたり、もう少し性能がいいレンタルサーバーに切り替えることにしました。
当初、minibirdの上位クラス”firebird”へ、契約の切り替えのみで、サーバー性能を向上させようとしたのですが、せっかくサーバーを乗り換えるのであれば、評判がいいXSERVER(エックスサーバー)を使ってみたいと思い、minibirdからXSERVERへ切り替えることにしました。
今回は当ホームページ(http://it-sora.net)を、ドメイン名を変えずにminibirdからXSERVER(エックスサーバー)へ乗り換えた際の手順をご紹介します。
2.構成と環境調査
2-1.現行構成図
現行のhttp://it-sora.netのコンテンツは、minibirdのサーバー(IPアドレス112.78.117.23)上にあります。
クライアントが”http://it-sora.net”にアクセスすると、DNSサーバーによりIPアドレス112.78.117.23が返され、minibird上にあるコンテンツにアクセスできる構成です。
2-2.移行後の構成図
minibirdの上のコンテンツをXSERVERに移行し、DNSのレコードをXSERVER(IP183.90.245.19)に変更。
クライアントが”http://it-sora.net”にアクセスすると、DNSによりサーバーのIPアドレス183.90.245.19が返され、XSERVER上にあるコンテンツにアクセスできる構成にします。
2-3.minibardの環境調査
XSERVER移行前にminibirdの環境調査を行います。
2-3-1.アクセス解析の有効化
minibirdのアクセス数を確認できるようにするため、アクセス解析を有効にします。
2-3-2.サーバーのIPアドレスを確認
it-sora.netを管理しているminibirdサーバーのIPアドレスをメモしておきます。
また、クライアント(使用しているWindowsパソコン)側でも、MS-DONのPingコマンドで、it-sora.netのIPアドレスを確認しておきます。
WindowsのMS-DOS画面を表示して下記のとおり入力します。
>ping it-sora.net
DNSによりit-sora.netの名前解決(DNS名→IPアドレスに変換)されIPアドレスが確認できます。
minibird上のIPアドレスは112.78.117.23であることを確認。
2-3-3.PHPバージョン確認
minibird側のPHPのバージョンを事前に確認しておきます。
以上で構成と環境調査の終わりです。
3.XSERVERの契約と初期設定
XSERVERと新規契約し、移転先の新しいサーバーを構築します。
3-1.XSERVERへ申し込み
XSERVERのTOP画面よりサーバー無料お試し10日間より申込み。
サーバーお申し込み【無料お試し10日間】を選択
お申し込みフォームからプラン名を選択と必要事項を入力
※サーバーIDはドメイン名(it-sora.net)である必要はありません。
申し込みが完了すると、指定したメールアドレスに会員IDとパスワードが送付されます。
3-2.XSERVERへ料金の支払い
XSERVERのインフォパネルにアクセスします。
※インフォパネルとは、契約情報の確認・変更・料金の支払いを行うための管理パネル。
10日間の無料お試し期間がついていますが、私は最初の段階で6ヶ月分の料金をクレジットカードで支払いました。
支払い完了後、契約情報から、契約が通常となり、利用開始日と利用期限を確認します。
3-3.it-sora.netドメインの設定
契約情報の画面から契約したサーバーのサーバーパネルにログインをします。
サーバーパネルのログインIDとパスワードは、先に送付されたメール内に記載されています。
サーバーパネル右上にあるドメイン設定を選択。
ドメイン設定画面で、追加するドメイン(it-sora.net)を入力。XSERVERで管理するドメインが追加されます。
3-4.WordPressのインストール
サーバーパネルの左下にある”設定対象ドメイン”から上項で追加したドメイン(it-sora.net)を選択
設定対象ドメインが選択されたこを確認のうえ、”自動インストール”を選択
”プログラムのインストール”タブからWordPress日本語版の”インストール設定”を選択
新規インストールするWordPressの初期設定を、移行元のminibirdと同じ設定にします
WordPressとデータベースが自動インストールされます。
3-5.XSERVER側PHPバージョンの確認
XSERVER側のPHPバージョンを確認。移行元のPHPバージョンとの差異がないことを確認します。
PHPのメジャーバージョンが異なる場合は、移行元のPHPのバージョンをXSERVER側に合わせます。
3-6.XSERVER側のアクセス解析を有効化
この時点でXSERVERのアクセス解析を有効化しておきます。サーバーメニューから”アクセス統計”を選択
”アクセス解析の追加”タブからit-sora.netを選択し”アクセス解析設定の追加”を選択
3-7.動作確認用URLの設定と確認
XSERVER上に正常にWordPressがインストールされた事を確認するために、”動作確認用URL”を発行してWordPressが正常にインストールされた事を確認します。
サーバーパネルの”動作確認URL”を選択
”動作確認URL設定の追加”タブから”it-sora.net”を選択、”動作確認URL設定の追加”を選択
動作確認用URLが発行されるので、1時間ほど待ってからURLを選択
WordPressの初期テーマでWordPressが表示されることを確認
これでXSERVERの契約と初期設定は完了です。
4.minibird上のWordPressバックアップ
まず、minibird上にあるWordPressデータのバックアップを行います。
WordPressのバックアップ方法にはいろいろな手法がありますが、私は、”UpdraftPlus WordPress Backup”プラグインによるバックアップを行いました。バックアップは皆様の環境にあった方法で行ってください。
なお、あたりまえのことですが、バックアップ作業以降はminibird上のWordPressの変更は厳禁です。
4-1.UpdraftPlus WordPress Backupによるデータバックアップ
バックアッププラグイン”UpdraftPlus WordPress Backup”をインストールしてバックアップ作業を開始。
4-1-1.UpdraftPlus WordPress Backupのインストール・有効化
WordPressのプラグイン管理より、UpdraftPlus WordPress Backupを検索、インストールして有効化します。
4-1-2.UpdraftPlus WordPress Backupによるバックアップ
WordPressメニューからUpdraftPlus WordPress Backupを選択
”UpdraftPlus WordPress Backup”のメニューから”今すぐバックアップ”を選択
バックアップするデータを選んで”今すぐバックアップ”を選択
数分でバックアップ完了。
5つのバックアップファイルをパソコンにダウンロードしてバックアップの完了
5.Windows hostsファイルの変更
ここから、minibirdからダウンロードしたバックアップデータを、XSERVER上にアップロード・リカバリーを行うのですが、ここでドメイン名に関する問題が起こります。
いま状態では、XSERVER上に設定したWordPressにログオンできません。動作確認URLからWordPressの初期画面は確認できましたが、XSERVERの管理画面にログインしようとするとリダイレクトがかかり、minibird上のWordPressのログイン画面に自動的に切り替わってしまいます。
これは、パソコンが参照しているインターネット上のDNSサーバーに、まだit-sora.net = minibird(IPアドレス:112.78.117.23) と登録されているからです。
この問題を解決するために、XSERVERにアクセスするパソコンにit-sora.net = XSERVER(IPアドレス:183.90.245.19)であることを認識させる必要があります。
その手法として、Windowsはhostsファイルを変更します。
5-1.XSERVERのIPアドレスを確認
サーバーパネルより”サーバー情報”を選択。XSERVERのIPアドレスを確認しメモします。
IPアドレス:183.90.245.19
5-2.hostsファイルの変更手順
Windows標準の”メモ帳”を”管理者”として実行します。
メモ帳の”ファイル”から下記のフォルダを開き、”すべてのファイル”を選択し”hosts”ファイルを開きます。
“c:/windows/system32/driveres/etc/hosts”
hostsファイルが表示されますので、最下段に下記(IPアドレス ドメイン名)を入力します。
183.90.245.19 it-sora.net
hostsファイルを上書き保存してメモ帳を閉じます。
5-3.動作確認
Windows MS-DOSを起動し下記コマンドを入力
>Ping it-sora.net
Ping 返信元のIPアドレスがXSERVERの183.90.245.19に切り替わったことを確認
ブラウザにURL”it-sora.net”と入力、WordPressの初期テーマで表示されることを確認
※HOSTSファイルを変更した状態では、minibirdにアクセスできません。minibirdにアクセスする際は、HOSTSファイルの追記した行をコメントアウトして上書き保存をしてください。
※名前解決を調べるDOSコマンドとしてnslookupがありますが、nskookupはhostsファイルを参照しないため、今回のような作業のときは利用できません。
6.XSERVERへWordpressのリカバリ
hostsファイル変更により、クライアントパソコンから、XSERVER側のWordPressにログインできるようになりましたので、WordPress管理画面がらデーターリカバリを行います。
リカバリーでも”UpdraftPlus WordPress Backup”プラグインを利用します。
6-1.UpdraftPlus WordPress Backupによるデータリカバリー
6-1-1.UpdraftPlus WordPress Backupのインストール
XSERVER側のWordpressにUpdraftPlus WordPress Backupプラグインをインストールし有効化します。
6-1-2.UpdraftPlus WordPress Backupによるデータリカバリー
UpdraftPlus WordPress Backupのメニューから”復元”を選択
4-1-2でダウンロードした4つのバックアップデータをアップロード
”復元”アイコンを選択。バックアップの復元からデータベース以外を選択して”復元”
復元処理に成功したことを確認
続いて、”データベース”を選択して復元
復元処理に成功したことを確認
6-2.プラグインの確認・有効化
アップロードされたプラグインを確認し、XSERVER側で必要なものを有効化します。
6-3.動作確認
ブラウザから、Wordpress(http://it-sora.net)にアクセスし表示・動作・機能に問題がないことを一通り確認します。
6-4.目印用の投稿
この時点で、XSERVERとminibirdは同じ状態となり、見ため上どちらのサーバーにアクセスしているのか、わかりづらい状態となりますので、XSERVER側だけに目印用の投稿(非公開)をしておきます。
6-5.UpdraftPlus WordPress Backupリカバリデータの削除
動作確認後、問題がないことを確認したら、リカバリ時に使用したリカバリデータを、UpdraftPlus WordPress Backupの設定メニューから、”古いディレクトリを削除”します。
6-6.HOSTSファイルをコメントアウト
XSERVER側での一通りの作業が完了しましたので、hostsSファイルに5-2で追記した行コメントアウトしておきます。
※インターネット上のDNSサーバーに、it-sora.netドメインはXSERVER(IPアドレス183.90.245.19)であることが反映されるまで、HOSTSファイルでXSERVER/minibirdのアクセス制御します。
7.ドメイン名の移管手続き
次にインターネット上のit-sora.netドメインの移管申請を行います。
it-sora.netのドメイン名のWebサーバーはXSERVER(IPアドレス:183.90.245.19)に切り替わったことを、インターネットの世界に伝えていきます。
7-1.ドメイン名移管の要件確認
まず、移管先であるXSERVER側で、ドメイン名移管要件を確認します。XSERVERのドメイン移管要件は下記のとおり。
ドメインの期限等や利用規約の他、下記の2つの点が移管元のminibird側で準備が必要になります。
- 移管元ドメイン管理業者が移管を認めていない、またはレジストラロックを掛けている場合
- ドメイン公開データベース(Whois)にドメイン登録者連絡先(registrant contact)として自分のメールアドレスが登録されていない。または、そのメールアドレスでメールが受信できない場合
7-2.minibird側でのドメイン名移管申請
まず、移行元であるminibird上でit-sora.netドメイン名の移管申請を行ないます。
minibirdのドメイン管理サービスは”スタードメイン”です。スタードメインの”管理ドメイン一覧”からir-sora.netのドメイン管理状況を表示し、下記3つのことを行ないます。
- WHOIS情報の変更
- レジストラコンタクト認証キーを送信
- レジストラロックの解除
7-2-1.WHOIS情報の変更
WHOISとは、ドメイン名(it-sora.net)の管理者情報です。のデータベースです。
XSERVERの移管要件に、「ドメイン登録者連絡先として自分のメールアドレスを登録する」とありますので、WHOIS情報にメールアドレス欄を、初期設定値(スタードメインのメールアドレス)から、自分のメールアドレスに変更します。
7-2-2.レジストラコンタクト認証キーを送信
WHOISにメールアドレス登録後、レジストラコンタクト認証キーを送信します。
しばらくすると、7-1-1で登録したメールアドレス宛に”認証キー”が記載されたメールが届くので、認証キーをメモします。
7-2-3.レジストラロック解除
次にレジストラロック解除を行います。
※スタードメインの場合、レジストラロック解除を行なう前に、独自ドメイン利用サービスの停止が必要になりますので、契約情報画面からit-sora.netドメインの管理サービスを停止します。
続いて、it-sora.netのドメイン管理状況の画面からレジストラロックを”OFF”に変更する。
7-3.XSERVER側でのドメイン移管申請
続いてit-sora.netドメインをXSERVER側で管理するため、XSERVERのインフォパネルでドメイン移管申請手続きを行ないます。
- ドメイン料の支払い
- ドメイン移管申請
7-3-1.ドメイン料の支払い
最初に、XSERVERのインフォパネルよりドメインの管理料を支払います。
”追加のお申し込み”より”ドメイン移管”の追加の申し込みを選択
登録したドメイン名(it-sora.net)で検索
ドメイン名に間違いがないことを確認し”お支払い方法を選択する”を選択
任意の方法でドメイン料(1,620円)を支払います。
7-3-2.ドメイン移管申請
料金支払い完了後、XSEVERインフォパネルのご契約一覧のドメインタブに追加したドメイン(it-sora.net)が表示されています。”移管申請”を選択
ドメイン移管申請のための”認証鍵”を入力する画面が表示されます。7-1-2でメモした認証鍵のコードを入力して”移管申請を行う”を選択
XSERVER側での移管申請の完了です。
7-4.ドメイントランスファー申請
ドメイン移管申請後、数日後(私の場合3日後)にドメイントランスファー申請のメールが届きます。メール内のリンクをクリックします。
XSERVERのドメイン移管承認画面が表示されるので、内容を確認のうえ”移管を承認する”を選択
ドメイントランスファー申請が承認されます。
7-5.ネーム(DNS)サーバーの変更
ドメイントランスファー申請から数日後(私の場合7日後)、XSERVERからドメイン移管完了通知メールが届きます。
上記のメールが届いたら、XSERVERのインフォパネルにログイン。ドメインご契約一覧の今回のドメイン”it-sora.net”のステータスが有効になっていることを確認し、”ドメインパネル”を選択
ドメインパネルの”ネームサーバーの変更”タブを選択。
it-sora.netドメインのネームネームサーバーをminibirdからXSERVERに切り替えます。
”エックスサーバーのネームサーバーを入力する”を選択し、”ネームサーバーの変更(確認)”を選択
ネームサーバーの切り替えが完了。it-sora.netのドメイン名のサーバーはXSERVER(IPアドレス:183.90.245.19)であることがインターネット上に反映されていきます。
以上でドメイン移管作業は完了です。
8.ドメイン移管後のアクセス確認
7-5項のネームサーバー変更後、世界中のDNS情報が切り替わるまでの間、minibird,XSERVER側どちらのサイトにもアクセスが発生します。
ドメイン移行が確実に終わるまでの間、適時アクセス解析を行ないます。
8-1.クライアント(Windows)によるアクセス先確認
ネームサーバー変更後、新規ブログ投稿などをする際、XSERVER側のWordPressにアクセスする必要があります。
インターネット上のDNS情報の書き換えが終わるまでの間、it-sora.netの接続先を事前に確認します。
8-1-1.pingによる確認
MS-DOS画面より、下記コマンドを入力する。
>ping it-sora.net
112.78.117.23からの応答がある場合は、minibird側のサーバーにアクセスしてしまいます。
183.90.245.19からの応答がある場合は、XSERVER側のサーバーにアクセスします。
ドメイン移管期間中のBlog投稿の際は、XSERVER側からの応答があることを事前に確認する
もちろん、hostsファイルによるアクセス制御方法でも問題ありません。
8-1-2.目印用Blogによる確認
6-4項でXSERVER側だけに目印用のBlogを投稿しておきましたので、XSERVER側WordPressのBlog投稿一覧には、目印用の投稿があります。
いま自分がminibird側にアクセスしているのか?、それともXSERVER側なのか?を、この投稿で確認できます。
DNS移行期間中に新規Blog等を公開する場合は、この記事が表示されていることを確認してください。
8-2.アクセス解析によるアクセス確認
ネームサーバー変更手続き後、順次XSERVER側にアクセスが移行していきます。
前項で、minibird・XSERVER共にアクセス解析を有効化してありますので、サーバー管理画面より、minibirdへのアクセス数は減少し、XSERVERへのアクセス数が増加していることを確認します。
9.minibirdの解約
minbird側のアクセス数が一定期間ゼロ状態になった時点で、XSERVER側への完全移行が完了します。
9-1 minbirdのアクセス解析
minibirdのサーバー管理ツールより、適時minibirdへのアクセス解析を行います。
minibird側へのアクセスがなくなった時点で、Wordpressを削除したうえで、minibirdのサービスを解約します。
10.まとめ
minibirdからXSERVERへの移行説明はいかがでしたでしょうか?「サーバー移行」と聞くと、とても難しいようなイメージがありますが、いまはWordPressや便利なプラグイン、各ホスティング会社(サーバーレンタル会社)ともに、簡単でわかりやすいツールを揃えていますので、誰でも手軽にサーバー移行ができると思います。
今回はminibirdからXSERVERへの移行手順をご説明しましたが、他のサーバーレンタル会社でも同じようなフリーと操作でWordPressの移管は可能です。
この機会に高速で評判がいいXSERVERへ乗り換えてみてはいかがでしょうか。
2017年5月23日 追加
今回ご紹介した「UpdraftPlus」を使用した、Wordpressの自動バックアップ術をもご紹介しております。
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