あたりまえのアダムス|人生で成功するために必要なこと

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みなさん、こんにちは。

ITサポートSORAの関口です。

読書の本当の楽しみは、本を読むことにあるのではなく、自分の中のあらたな「気づき」との出会いにあること。

仕事の生産性を高めるひとつとして、ビジネスに関する本を読んだときに、私自身が学んだこと、気づいたことをブログに書いています。

2冊目はロバート・アップデグラフ著の「あたりまえのアダムス|人生で成功するために必要なこと」です。

それでは、読書前の質問から。

目次

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読書前の質問

あたりまえのアダムスとは?

あたりまえのアダムスが出版されたのは1916年。

広告代理店に勤めるアダムスが主人公の短い物語。

物事をシンプルにあたりまえに考えるアダムスが、広告代理店に勤務するところから物語がはじまる。

学校に講演にきた広告代理店社長の「オズワルト」の話しに感銘を受け、学生だったアダムスは「オズワルトの下で働きたい」と強く思い、あたりまえの行動にでる。

あのオズワルドさん。私は広告業界に入りたいと、そしてあなたの下で働きたいと決心しました。

だから、あなたに会って、そう話すのがあたりまえだと思ったのです。

学生が「あの会社で働きたい」と思い、その会社の社長に会って「働かせてください」ということは考えつかないもの。

しかし、アダムスは「オズワルトの下で働きたい、だからオズワルトにお願いする」というあたりまえの行動をとったまで。

相手が社長だから、どうせ学生は相手にしてくれないなどと思わずに、自分にとってのあたりまえの行動することが、問題解決のシンプルな道であること教えてくれる。

心理カウンセリング空

あたりまえを見つけるためには?

物語のなかで、アダムスはクライアントの問題をあたりまえの視点で解決をしていく。

製紙会社からの広告依頼では、アダムスは紙の製造工程に目をつけて、その工程を広告にしようと製紙会社の社長である「メリット」に提案をする。

しかし、製造会社の「メリット」からみれば「紙の製造工程はあたりまえ」のことなので、それが広告になるとは思えず、アダムスの提案に難色を示す。

「しかし、紙作りについてそんな広告をしたら、全国の製紙会社のあいだで物笑いの種になってしまうよ。

なにしろ、すべての良質な紙はそうんなふうにつくられているのだから」

アダムスは身を乗り出して、相手の目をしっかりと見据えた。

「ミスター・メリット。あなたは誰に向かって広告をしようとしているのですか?紙のメーカーですか、それともユーザーですか?」

あたりまえのアダムスの中で、このシーンが個人的には1番気に入っている。

自分達があたりまえのようにしていることが、相手にとっては貴重な体験であったりする。

近年、工場見学が流行るのも、企業があたりまえのようにしてきたことが、消費者にとっては貴重な体験になることが理解されてきたから。

「あたりまえ」は1916年も今もたいして変わらない。

では、日常の中であたりまえのことを発見するには、どのようにすればいいのだろうか?

あたりまえを見つけるコツとして、アダムスは下記のように語っている。

あたりまえのことを選び出すには、分析が必要である。

分析するには考える必要がある。

そして、どこかの高名な先生も言った通り、考える事は仕事の中で最も苦しいことなのだと。

だから、とことんまで考え抜く人が少ないのです。

ほとんどの人は、賢い計画や離れ業に頼って近道をしようとする。

そして、それをやるべきあたりまえのことだといいます。

しかし、何かをあたりまえといったところで実際にあたりまえになるわけではありません。

すべての事実を集め、分析し、それから本当にあたりまえのことを見出していないから、これ以上あたりまえの事は無いだろうと思えるような原則を見逃してしまうのです。

ほとんど常に、これがビジネスマンとして成功するかどうかの分かれ目です。

成功してない多くのビジネスマンは、いわば強度の乱視なのです。

あたりまえのことは、あたりまえすぎて気づけないもの。

近くにあるものは近くにあることがあたりまえだから、簡単に見落としてしまうもの。

だから、あたりまえのことを発見するには、事実を分析し考え続ける必要ある。

物語のあとに、それが「あたりまえかどうかを識別テスト」と「あたりまえの事を発見する5つの方法」について紹介されている。

あたりまえかどうかを識別する5つのテストとは?

テスト1:それは単純か?

問題は解決してしまえば単純だ

~チャールズ、ケタリング~

難しい問題を解くとき、いろいろと考えを張り巡らす必要がある。

しかし、問題が解け振り返ってみると、問題は単純であったりする。

単純を見つけるには、1度様々な角度から複雑に考えることが、あたりまえのこと。

テスト2:それは人間の本性に反していない?

それが、あたりまえかどうかを識別するには「誰に説明をしても同じような結論に至るかどうか」がポイントになる。

例えば、「井戸水は冷たいものだ」という提案をしたとき、地域によっては「井戸水はあたたかいものだという返答になる。

しかし、「井戸水の温度は夏でも冬でも常に18℃です」という提案をすれば、誰もが納得のいくものになる。

主観的ではなく客観的、感覚ではなく事実に基づいた提案をすれば本性に反しない、それがあたりまえのこと。

テスト3:短く簡潔に書くことができるか?

物事を深く考えれば考えるほど、その物事の精度が高まり、やがて心の中で確信に変わる。

確信に変わった物事を人に説明するとき、一生懸命に考えた分だけ事細かに相手に説明をしたくなる。

しかし、それでは相手には難しすぎて伝わらない。

物事の目的を相手に完結に伝えられるところまで情報を削り落とすことが、あたりまえのこと。

私たちは、ときには何日も、何週間も、あるいは何か月も費やしてあるアイディアにたどりつくので、そのアイディアの長所も短所も知り尽くしています。

だから、相手もそのアイディアをすぐに受け入れてくれると期待します。

しかし、そんな事はまずありません。

彼らには頭と心でそれを受け入れるまでに、つまり精神的に「消化」するまでに、時間が必要です。

それは彼らの権利なのです。

ロバート・ロウルズ

テスト4:人の気持ちを動かすか?

先行きの見えない深い靄の中にいるとき、それはとても不安で恐いもの。

しかし、不安や恐怖に負けずに1歩1歩と進んでいくことで、いつか霧が晴れて視界がパッと広がる。

そのときの心の感覚は心地よく、希望に満ちてうれしいもの。

人の気持ちが動いたときの表情は、深い霧から抜け出したような表情になるとき。

今まで悩み続けてきた問題は、実はシンプルだったと気づいたときで、人の気持ちは大きく動くとき。

相手の気持ちが晴れるまで、一緒に歩み伝え続けることがあたりまえのこと。

テスト5:機は熟しているか?

主要な徳の1つは、機を得ているかどうかである。

近所に住む乗り物作りの職人は、夏の間はソリを作り、冬の間は夏場に備えて馬車を作っている。

だから季節の始まりには準備が整っている

~エマーソン~

冬にソリを売るためには、雪が降る前にソリが完成していなければならない。

だから、夏にソリを準備するのがあたりまえのこと。

よって、雪が降り出してから「ソリが売れる」と考えて、夏にソリを販売するのは機を逃している。

しかも、既に機を逃しているのに「売れない」とあきらめて、作ったソリを廃棄してしまったりする。あと1年待てば再び売れるのに・・・

機が熟したときに、パッとだせるように準備をしておくこと、それがあたりまえのこと。

あたりまえのことを発見する5つの方法とは?

方法1:最も単純な方法は何か?

私たちは物事を考えるとき、自分の価値観・記憶・体験・経験などを基に考えはじめる。

もちろん、それも重要なことだけど、時には自分という枠組みを外して、ゼロベースで考えてみること。

はじめてその物事に触れたとき、どういうふうに感じるのか?、これが子供だったらどう考えるのか?、色々な立ち位置から物事を考え続けることで、はじめてあたりまえのことを発見できる。

方法2:逆転させたらどうなるか?

水上飛行機の設計は、当初は船に翼をつけるという発想で開発されていたが、船を飛べるようにするのではなく、飛行機を浮かべるようにしてはどうかと考えついた

ホームから酔っぱらいが誤って落ちないようにするために、ホームの椅子の向きを、線路に対して並行ではなく垂直(横向き)に変えたという事例がある。

考える目的を見失わずにして、逆の発想から考えることで、あたりまえのことを発見できる。

方法3:人々の反応を調べられないか?

商品は人々のために開発されているのに、多くの意思決定が現場ではなく会議室で下されている。

人々の意見を聞く簡単なテストを行うことで、何かの作り方、やり方、話し方について、人々の明白な好みやあたりまえの方法がわかることがあります。

本来であればお客様に喜んでもらうために商品を開発するのに、商品を売るためにお客様を利用することはよくある話し。

前者はお客様の声を聞いて商品開発をし、後者は開発した商品を机上のマーケティングで売ろうとする。

恐らくどちらの商品も最初は売れると思う。

しかし、長く売れ続けるのはどちらだろうか?

お客様の声を聞きながら、商品を開発し育てていくことで、はじめてあたりまえのように売れる商品ができる。

方法4:誰も手をつけていない機会がないか?

誰も手をつけようとしない、あたりまえのことに目を向けろ

一時期、過払い金返還請求のCMがあたりまえのように流れていた。

しかし、司法書士というお堅い職業の人が、過払い金返還請求のCMを流すことに、かなりインパクトがあったと思う。

司法書士は「手続きの依頼」がこないと成り立たない職業。

「過払い金返還請求」のCMを流すことで、多くの人に「過払い金は返還請求できること」を伝え、結果として「手続きの依頼」が増えると考えるのは、あたりまえのこと。

方法5:その状況に固有の特別なニーズは何か?

あたりまえのことを発見するための遠近両用発想法が考えられます。

まず物事を手元に引き寄せてじっくり調べ、何かできる点はないかと探します。

そして、今度は距離を置いてその全体をながめ、同じ目的を果たすためにまったく違うやり方、より単純で、効果的で、経済的な方法はないかと考えるのです。

とある企業が、刻み海苔を簡単に作れるように刃が10枚ついたハサミを開発した。

しかし、「刻み海苔を簡単に作りたい」というニーズはそれほどなく、10枚刃ハサミは売れなかった。

それから時代は、個人情報保護法が成立し、企業も個人も個人情報の重要性を認識し個人情報を保護するニーズが高まった。

そのときに、個人情報が書かれている資料を細かくできるハサミとして、10枚刃ハサミを販売したところ、飛ぶように売れたという。

10枚ハサミは、刻み海苔用としては売れなかったけど、個人情報保護用としては売れた。

ニーズと用途が変われば売れないものでも売れることがあるは、あたりまえのこと。

まとめ

「あたりまえのアダムス」は全93ページの薄い本。しかし、その内容はとても濃い内容になっている。

300ページある本で、内容が薄まっている本と、93ページの本で内容が詰まっている本、どちらの本の方が早く理解ができるだろうか?

あたりまえに考えること、シンプルに捉えることの大切さと難しさを教えてくれる1冊です。

「あたりまえのアダムス」は絶版になってしまったようなので、きれいな本が適正価格で中古市場に出回っているうちに読まれておくことをオススメします。

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