みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
先日、全盲の視覚障がい者の方から「パソコンが古くなったので入れ替えて欲しい」とのご依頼をいただきました。
そのサポートのなかで、デザインや機能よりも「今までどおり普通に使えること」が大事だなと感じました。
今日は「視覚障がい者の方へのパソコン入れ替えサポート」について書いていきます。
視覚障がい者の方へのパソコン入れ替えサポート
ご依頼いただいたのは、全盲の視覚障がいがある方。
「仕事で使用しているパソコンが古くなったのでパソコンを買い替えたい。新しいパソコンを設置・設定して欲しい」とのご依頼
視覚障がいの方は、画面に表示されている文字を音声で読み上げる「PC-Talker」などを使ってパソコンを操作します。
PC-Talkerには、インターネット閲覧ソフト(NetReaderNeo)・メール送受信ソフト(MyMail)・メモ帳(MyEdit)・ファイルエクスプローラー(MyFile)・住所録ソフト(MyAccess)などの専用ソフトがあります。
お客様、上記のソフトすべてを利用して仕事されており「新しいパソコンでもこれまでパソコンと同じように使えるように設定して欲しい」とのご要望
すべて音声と感覚でパソコンを操作されており、今までとちがうことがあると操作がわからなくなってしまうため、今までのパソコンの使い方を1回見させていただいたうえで、パソコンの入れ替え作業を行いました。
これまでのパソコンはWindows10、新しく購入したパソコンはWindows11、Windows11は初期設定のままではOneDriveのバックアップ機能が有効になっています。
OneDriveのバックアップが有効になると、いつも使うDocumentフォルダのパスが”C://Users/userneme/OneDrive/Documents”に変わるため、OneDriveの機能を停止。その他、不要な通知がでないよう設定しました。
最後にPC-Talkerのアプリ群の全データをインポートして、今までどおり使えるようにして入れ替え作業終了。
新しいパソコンはデザイン性のある本体とキーボードでサイズも一回り小さいものになりました。
しかし、パソコン本体は電源ボタンは凹凸がない小さいボタンになり、キーボードもファンクションキーのサイズが小さくなってしまいました。
デザインとしての見た目は「かっこいい」のですが、視覚障がい者の方すると凹凸のないデザインのため、非常に使いづらそう。特にPC-Talkerのメニューはファンクションキーで起動するため「ファンクションキーが小さいと使いづらい」とのこと。
そのため、キーボードはこれまで使用してきたものを流用して、慣れた感覚で操作できるように設置しました。
パソコンの電源ボタンをもう少し大きくして凹凸をつける、電源が入ったら1回ビープ音を鳴らす、ユニバーサルデザインのキーボードを選べるようにするなど、視覚障がい者の方でも使いやすいパソコンが選べるようになるといいなと感じました。
まとめ
私は幸いに目が見えているので、視覚情報で多く情報を得て物事を判断しています。
目が見えているから、パソコンの電源ボタンの凹凸や大きさのことは考えたこともありませんでした。
今回サポートさせていただくなかで、デザイン性や便利な機能よりも「今までどおり普通に使えること」が、視覚障がい者の方にとってはとても大切なこと。
そのことに気づくには、その人の立場に立って物事を考えていかないと、本当に大切なことが見えてこないと実感しました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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