みなさん、こんにちは。
ふじみ野市近隣でパソコンサポートを行っているSORAの関口です。
AR技術(拡張現実技術)を活かしたゲームポケモンGO。ポケモンGOのダウンロード数は世界中で5億件を突破したそうです。
以前もポケモンGOの記事を書きましたが、私は、ITと人間の今後のあり方についてよく考えるので、AR技術を活かしたポケモンGOが今後どうなるのかを気にかけています。
ポケモンGOはリリースされたとき、某大臣が「ポケモンGOで、引きこもり者が外に出られるようになった」と発言されていましたが、この言葉を聞いたとき、私はかなり違和感を感じました。
ポケモンGOで本当に引きこもりが改善されるのでしょうか?
今回は私の思うところを書いていきます。
引きこもり者がポケモンGOで外に出られる理由
ポケモンGOが発表されたとき、某大臣が「精神科医が対処できなかったオタク、自宅引きこもり者が、外にでてポケモンをするようになった。」と発言されていました。
また、実際に海外でも”長年引きこもりだった人がポケモンGOをきっかけに街を歩きはじめた”という事例もあるようです。
では、どうして長年引きこもりだった人が、ポケモンGOで外に出ることができたのでしょうか?
長らく引きこもりをしている人は、社会に対して恐怖や不安感、自分自身に対する喪失感を抱えていると思います。
その人がポケモンを探しに街に出られたのは、不安感や喪失感よりも、”ポケモンを探す”という好奇心の方が上回ったからです。
でも、その好奇心はスマホの中の画面に現われる”ポケモン”にあるだけで、周りの社会や人々に対しては、まだ向けられていないのではないでしょうか。
ポケモンGOと地方創出
地方創世のひとつとして、ポケモンGOを活かして新しい人の流れを作ろうという試みがはじまっているようです。
これもAR技術と人と地方をかけ合わせた画期的な試みだと思います。実際に観光地を「ポケストップ」にして、多くの人がポケモンやアイテムを求めてくるそうです。
多くの人が来れば、その地域の商店街は一時的にお客さんが増えいい面もあります。
でも、これも引きこもりの人と一緒のことで、ポケモンGOが目的で集まる人の好奇心は、スマホの画面に現われるポケモンにあるだけで、その周辺の歴史とか景観にどれだけ興味を向けることができるのでしょうか。
その地区でポケモンをゲットしたら、また次のポケストップに行ってしまうのではないでしょうか。
画面を見ながら歩いて、人は幸せになれるの?
ポケモンGOの開発者は「人は外に出て、歩くことで幸せになれる」を理念としてゲームを開発したそうです。
そして、実際にゲームを開発し世界中の5億人がポケモンを探し求めて歩き始めました。
それは、とても凄いことだと思います。
でも、やっぱり私の心の中には違和感があります。スマホの小さな画面に現われるポケモンを探し歩いて人は幸せになれるのでしょうか。
長年引きこもりだった人が、ポケモンを探しに街に出られたことは大きな1歩です。
でも、それは最初の1歩であってゴールではありません。
大事なことは、引きこもっていた人が外にでたかどうかではなく、その人がこれからどう社会に関わっていけるのか?という視点ではないでしょうか。
ポケモンGOを利用して地方に人が訪れることもすごいことだと思います。
でも、ポケモンGOを楽しむ人々がその場を訪れたとき、その人達が、その地区の景観や歴史・地元の人々とふれ、その地区を知り興味を持ってもらうことが、地方創生の鍵になるのではないでしょうか。
スマホの画面から、現実の世界へ視点を変えること
今回の”ポケモンGO(AR技術)の記事を見ていると、ポケモンGOで人が動く・人を動かすことが注目されていますが、大事なことは、ポケモンGOをきっかけにして、人が動いた先に、その他の人々がどう関わるのか?ではないでしょうか。
例えば、ポケモンGOきっかけに引きこもりだった人が外に出られたとき、その人が抱えている社会に対する不安感を和らげること、私は社会に出ても大丈夫という自己肯定感をもってもらうような仕組みをつくることが必要ではないでしょうか。
“幸せ”の定義はひとりひとり違うものだから、どの”幸せが正しい”ということはないのですが、私が歩くときに”幸せ”と感じることは、歩きながら自然を五感で感じたり、ちょっとした人のあたたかさを感じたときです。人は外に出て歩くことで幸せになるのではなく、外を歩いたときに広がる自然を感じること、歩いた先での出会いや発見に幸せを感じるのではないでしょうか。
ITもARもAIも、これからどんどん技術は進歩していきます。でも、私達の人間性も一緒に向上していかないと、人間がITを使うのではなく、ITに人間が使われる時代、映画”マトリックス”のような時代になってしまうのでは?と某大臣の言葉を聞いて感じました。
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