問題解決とは、望まれた事柄と認識された事柄の一致すること

みなさん、こんにちは。

埼玉県ふじみ野市でITサポートを行っているSORAの関口です。

当店は、ふじみ野市中心にお客様のパソコンやスマホのトラブル解決を行っております。

昔のパソコンに比べ、最近のパソコンはトラブルが起こる頻度がとても少なく安定して使えるのですが、その反面、一度パソコンやインターネットにトラブルが起こると、複雑なトラブルになります。

また、現代はパソコン・スマホ・ゲーム機・インターネットが絡み合って動いていますので、ひとつトラブルが起こるとすべてが使えなくなったり、トラブルを解決するために「どこに相談していいかわからない」などの声もよく聞きます。

お客様のパソコンのトラブルを解決する際、常に意識していることがあります。それは「パソコンのトラブル」は「お客様のトラブル」ではないということです。

パソコンのトラブルのご相談を受けると、エンジニアは直ぐにトラブルを解決したくなるのですが、トラブルを解決する前に最初にやるべきことがあります。

それは「もし、そのトラブルが起きなかったら、お客様はなにをやりたかったのだろうか?」とトラブルの先にある「お客様が本当にやりたいこと」を考えることです。

以前、私がIT業界でエンジニアとして仕事をしていた頃、ある会社の社長のITサポートを担当しました。そのとき「トラブルの先にある本当のやりたいこと」をサポートする必要性を痛感しました。

今日は、私が社長から教わった「トラブルの先にある本当のやりたいこと」について書いていきます。

目次

リモートサポート

「パソコンの問題」は「社長の問題ではない」

社長のパソコンサポート

以前、 私は企業のインターネットシステムを保守管理する仕事を行っていました。

その仕事のなかで「パソコンが動かない」、「エクセルが使えない」などのパソコンサポートなども行いました。

ある日、私のデスクに社長室から内線がかかってきました。

秘書から「社長のパソコンが動かないからどうにかして欲しい」と依頼を受けました。

私は社長室に伺い、社長に「どうされましたか?」と質問したところ「エクセルが動かなくて困っている」とのことでした。

私はパソコンの状況を確認し、 直ぐに復旧作業に取りかかりました。

しかし、 5分ほどたってから、社長が「遅い!5分以内で終わらせろ」と怒りはじめ、「もういい」と社長室から出て行ってしまいました。

このとき、私は「さすがに5分で問題を復旧できないだろう・・・なぜ、私が怒られなければならないのだ・・・」と社長に心の中で逆ギレしました。

「5分以内」と社長に怒られる日々

その後も、社長のパソコンでトラブルがある度に、私は社長に呼び出され、パソコンのトラブルを解決するのですが、毎回のように「お前が仕事が遅い」、「なぜ、こんなもん5分以内で終わらせられないんだ!」と怒られるばかりで、社長室から内線がかかってくることに、私はストレスを抱えるようになりました。

ITエンジニアの立場では、パソコンのトラブルを復旧するのに最低10分は必要です。パソコンの問題を切り分け、その問題に対処して、次に問題が起きないように改善策を施す。

また、当時のパソコンは設定を変更する度に再起動が必要だったため、社長の「5分以内で終わらせろ」という要望はとても無茶なことで、私の心の中では、社長に対するストレスがピークになっていました。

「ライト、ついてますか」との出会い

次に社長から怒られたら「こんな理不尽な会社は辞めてやる」と心に思いはじめた頃、本屋で偶然手にとった本が、社長との関係性を変えることになりました。

その本は「ライト、ついてますか。問題発見の人間学」です。

「ライト、ついてますか」を手にとり、本の内容をパラパラとめくり、3つの言葉が目に入りました。

問題とは望まれた事柄と認識された事柄の間の相違である

~ライト、ついてますか より引用~


問題を抱えているのは誰なのか

~ライト、ついてますか より引用~


解決方法を問題の定義と取り違えるな

~ライト、ついてますか より引用~

この言葉に出会ったとき、私は社長に対して「間違った対応をしている」ことに気づきました。

そして、どうせ会社を辞める覚悟であれば、社長の言われたままの問題を解決するのではなく、エンジニアとしての立場で社長にしっかりと意見を言ったうえで、問題解決をしようと心を決めました。

問題の本質の発見、そして解決

人間の心は不思議なもので、自分で「こうしよう」と心に決めたら、あれほどストレスだった社長からの電話が、なぜか楽しみに変わりました。

しばらくして社長室から電話がかかりました。私は覚悟を決め社長室にいきました。

社長はイライラしているようで「パソコンがフリーズして動かない。早く直してくれ」という感じでしたが、私は今までのように社長のパソコンに向かうのではなく「社長ひとつ質問させてください」と切り出しました。

社長は「なんだ?」と切り返してくれたので、すかさず質問をしました。

「社長、もしこのパソコンの問題が起きなければ、社長は一番なにがやりたかったのですか?」

すると社長は「このExcelの表をすぐに印刷して、10分後の会議で使いたい」と問題の本質を教えてくれました。

問題の本質が見えることで、解決に向けたアプローチは変わります。

社長が印刷したかったExcelファイルを確認。

そのファイルは秘書のパソコンからもアクセスできるものだったので、秘書のパソコンからExcelファイルを印刷し社長に手渡しました。

今回は、社長の問題解決まで5分を切りました。

このとき、社長から「これが仕事だよ」とはじめてお褒めの言葉をいただいたうえで「パソコンは会議が終わるまでに直しておいてくれればいいから」ということで、ゆっくりとパソコンの問題を解決することができました。

問題解決とは、望まれた事柄と認識された事柄の一致である

「パソコンのトラブルを5分以内で直してくれ」と社長から依頼されたとき、私はエンジニアの立場から「パソコンの問題を5分以内で解決することは絶対に無理」と考え、社長に逆ギレしました。

それは、私がエンジニアだからこそ、エンジニアの立ち位置で問題を捉えていたからでした。

しかし、もし社長が最初から「このExcelを印刷したい」と私に伝えていたら、私の対応はどうだったでしょうか?

きっと、社長のやりたいことを、どういう技術で解決できるか?を考え、最初から5分以内で社長の問題を解決できたはずです。

では、なぜ社長は最初から「このExcelを印刷したい」と私に伝えてくれなかったのでしょうか?

それは、社長は目先の問題(パソコンがフリーズした)が解決されないと「Excelファイル」が印刷できないと思い込んでいたからです。

これは、お客様とエンジニアの間でよく起こる「問題のはき違え」です。

社長の「パソコンの問題」を解決することと、社長のやりたいことのために「社長の問題を解決」することは似て非なるものです。

「問題とは望まれた事柄と認識された事柄の間の相違である」

~ライト、ついてますか より引用~

上記を逆に考えると「問題解決とは、お客様が望まれた事柄と、お客様が認識された事柄の一致」であるということです。

社長との一件から、この言葉が仕事時の座右の名となりました。

心理カウンセリング空

「スマホの問題を解決する」ことと「お客様の問題を解決する」ことの違い

お客様のパソコンやスマホでトラブルが発生しサポートの依頼を受けたとき、お客様からは「トラブルの現象」を教えていただきます。

しかし、先ほどの社長の例でも「パソコンの問題」を解決することと、お客様のやりたいことのために「お客様の問題を解決」ことは似て非なるものです。

例えば、先日とあるお客様から「スマホの画面が割れたので修理してほしい」との依頼を受けました。

お客様のスマホは「携帯会社の本体補償プランに加入していないため」どこに修理を依頼していいのか解らないとのことでした。

この事例でお客様の「スマホの問題解決する」ことと「お客様の問題を解決する」ことを別けて考えると下記のようになります。

■スマホの問題を解決する

・お客様の問題:スマホの画面が割れて使いづらい

・問題解決方法:スマホの画面を修理する

・その結果:画面が直り、使いやすくなる。

■お客様の問題を解決する

・お客様の問題:スマホの画面が割れて使いづらい

・問題解決方法:中古のスマホを購入する

・その結果:画面が直り、使いやすくなる

「スマホの問題を解決」する場合、「スマホの問題」に着目するので必ず技術的な解決策になります。

一方「お客様の問題を解決」しようとする場合、「お客様の問題(困っていること)」に着目するので、別のスマホを購入するという代替案をお客様に提案できます。

この事例の詳細は下記のブログをご覧ください。

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最後に『U理論入門』から一節をご紹介します。

「創造すること」と「問題を処理すること」の根本的な違いは簡単である。

問題を処理する場合、私たちは「望んでいないこと」を取り除こうとする。

一方、創造する場合は、「本当に大切にしていること」を存在させようとする。

これ以上に根本的な違いはほとんどない。

~人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門 名土井僚 著より引用~

お客様の「スマホの問題」を取り除くことよりも、お客様が再び「スマホを使いやすくなる」ことを提供することが、お客様をサポートするうえで大切なことだと、私は考えています。

まとめ

私は、社長とのやりとりの経験から「トラブルの先にある本当のやりたいこと」を提供することが真のエンジニアだと痛感しました。

お客様の「問題を解決」するのではなく、お客様が「やりたいことを実現する」エンジニアであることをいまでも心に留めています。

「問題を解決」することと、その問題の先にある「望みを実現する」ことは似て非なるものです。

そして「問題を解決」しようとするよりも「望みを実現」しようとした方が、アイディアが湧きやすくなるのが、人間のおもしろいところです。

私達は、トラブルに遭遇するとつい解決したくなってしまいますが、まずは「もし、このトラブルがなかったら、私は一番なにがしたいのだろうか?」と自分自身に問いかけてみてください。

きっと、新しいアイディアが閃くと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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