みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
2021年10月にリリースされたWindows11。
最近では、Windows11標準搭載のパソコンも増え、Windows11をお使いの方も多いのではないでしょうか。
しかし、Windows11を初期設定のままOutlookを使うと、一部のOutlookで「Outlookが起動しない、起動が遅い」と不具合が生じる可能性があります。
先日、都内のお客様より「Windows11をセットアップしてOutlookを使おうとしたらOutlookの起動が遅い・起動しないことがある」とのご相談をいただきました。
調査の結果、Windows11のOneDriveバックアップ機能が原因でした。
今日は「Windows11でOutlookの起動が遅い・起動しない」トラブルサポートについてご紹介します。
Windows11の初期設定はOneDriveのバックアップが有効になる
今回のトラブル原因を解説する前に、Windows11とOneDriveの関係性をご説明します。
OneDriveとは、マイクロソフトのクラウドサービス。
OneDriveを有効にすると、クラウド上にファイルを保存する機能、Windowsのデスクトップ・ドキュメント・ピクチャフォルダをバックアップ(同期する)機能などが使えます。
Windows11セットアップ時に初期設定のままセットアップすると、OneDriveのバックアップ機能が有効になります。
デスクトップのファイルに以下のようなアイコンがついている場合は、お使いのパソコンでOneDriveのバックアップが有効化されています。
「Windows11でOutlookが起動が遅い・起動しない」トラブルサポート
お客様ご相談いただいた「Windows11でOutlookの起動が遅い、起動しない」トラブルの原因は、OutlookのPSTファイルをOneDriveの同期対象となったことが原因でした。
お客様はWindows11を初期設定のままセットアップしたため、OneDriveのバックアップ機能とファイルオンデマンド機能が有効の状態となっています。
その後、OutlookでメールアドレスをPOPアカウントで設定。
OneDriveのバックアップが有効の状態でOutlookにPOPアカウントとを設定すると、Outlook用PSTファイルは以下のパスに保存されます。
//users/user名/OneDrive/ドキュメント/Outlookファイル/○○○.pst
本来OneDriveの仕様上では、ドキュメント内にOutlookのPSTファイルがあると、ドキュメントフォルダは同期できない仕様。
しかし、Windows11を初期設定ままセットアップした後、OutlookでPOPアカウントを設定するとPSTファイルがOneDrive同期対象となる模様。
ファイルオンデマンド機能も有効になっているため、Outlookで変更がある度に(メールを送受信する度に)PSTファイルのアップロード・ダウンロードが繰り返されOneDriveがエラーとなる。
その際、OutlookがPSTファイルを正しく開くことができないと、Outlookの起動が遅くなる、起動しないなど現象が現れます。
私のテスト環境でも、Windows11を初期設定のままセットアップしOutlookでPOPアカウントを作成したところ、同様にPSTファイルが同期対象となりエラーとなりました。
おそらく現時点では、Windows11のバクなのかもしれません。
「Windows11でOutlookが起動しない」トラブルの対処方法
今回の原因のポイントは以下のとおり
- Windows11の初期設定ではOneDriveのバックアップ機能が有効になっている
- OutlookのPOPアカウントのPSTファイルはドキュメントフォルダに保存される
- Windows11のOneDriveのバク?が原因で、PSTファイルが同期対象となる
上記3つのポイントから対処方法は以下の2つになります
- Windows11のバックアップ機能を無効にする
- OutlookのPSTファイルの保存先をドキュメント以外にする·
Windows11のバックアップ機能を無効にする方法
Windows11のバックアップ機能を無効にする方法は以下の2つ
- セットアップ時にOneDriveバックアップを無効にする
- 有効になったOneDriveバックアップを無効にする
セットアップ時にOneDriveのバックアップを無効にする
Windows11のセットアップ時に「OneDriveを使用してファイルをバックアップ」画面で「このPCにのみにファイルを保存する」をクリックすると、OneDriveのバックアップ機能が無効になります。
有効になったOneDriveバックアップを無効にする
画面右下のOneDriveアイコンを右クリックし、ヘルプと設定を左クリック、メニューの設定を左クリック
バックアップタブのバックアップ管理を左クリック
バックアップを停止を左クリック
バックアップを停止を左クリック。これでバックアップ機能は停止します。
しかし、ここにOneDriveの大きな落とし穴があります。
OneDriveのバックアップを停止しても、ドキュメントフォルダはOneDriveフォルダの配下のままです。
この仕様により、OutlookのPSTファイルはOneDriveのドキュメントフォルダ内に残り続けて同期対象のままとなります。
よって、OneDriveのバックアップを停止したら、以下の手順でOutlookのPSTファイルの保存先を変更する必要があります。
OutlookのPSTファイルの保存先を変更する方法
この問題の本質はOneDriveがドキュメントフォルダ内のOutlookのPSTファイルを同期対象として扱うこと。
よって、OutlookのPSTファイルをドキュメントフォルダ以外(OneDrive管理外)に保存すればOKです。
手順は以下のとおりです。
Outlookが開いている場合は閉じる
OneDrive/ドキュメント/Outlooフォルダを任意の場所にコピーする。
コピー先の例)C:/Users/User名/Outlookファイル/○○○.pst
Outlookを起動し、電子メールアカウント設定のフォルダーの変更ボタンを左クリック、続いて”新しいOutlookデータファイル”を左クリック
上記でコピーしたPSTファイルを開く。コピー先の例)C:/Users/User名/Outlookファイル/○○○.pst
OutlookのPSTファイル参照先がOneDriveフォルダ以外になったことを確認
続いて、データタブを左クリックし、追加したPSTファイルを既定に設定する
Outlookを再起動しメール送受信テストを行う。問題なければ、Outlookアカウント設定より不要になったOneDrive上のPSTファイルを削除する。
ご相談いただいたお客様も、上記手順により問題を解決しました。
まとめ
新しくパソコンを購入される方はWindows11標準搭載機を購入する方がほとんどだと思います。
にもかからず、現時点ではWindows11をそのまま設定してOutlookのPOPアカウントを設定すると、いずれOutlookで問題が起こる状態になっています。
実はOneDriveのバックアップ機能が登場したときも、OutlookファイルのPSTファイルが同期対象となっていたため問題が発生していました。
その後PSTファイルをOneDriveバックアップから除外することで問題は収まっていましたが、Windows11の初期設定のままでは問題が再発するようになっています。
OneDriveのバックアップ機能の本質は、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャフォルダ同期機能であり、無料プランの場合は保存容量は5GBまで。
しかも、ファイルオンデマンド機能が有効になっているため、なにも考えずにWindows11を使い続けると、すぐにOneDriveの保存容量が一杯になる仕様。
OneDriveの容量が一杯になったら有料プランの案内を出す。そのときOneDriveを停止すると、パソコン上からファイルが消えたような現象が発生する。
Windows11でOneDriveやOutlookを使う場合は、OneDriveやOutlookの仕様を理解したうえで、適切に設定して使うことをオススメします。
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