みなさん、こんにちは。
ITサポートSORAの関口です。
インターネットが普及したおかげで、公的機関などの各種申請がネットでできるようになりはじめました。
ただ、公的機関のWebサイトは画面がわかりづらかったり、何度もパスワードを求められたりと複雑なものが多いと感じます。
私はe-Taxで確定申告しておりますが、e-Taxも複雑でわかりづらいです。
「e-Taxで確定申告したい」と思っても、マイナンバーカード(電子証明書)やe-Tax利用者IDの取得、ICカードリーダーの設定などが難しくてあきらめたという、個人事業主の方の声をよく聞きます。
しかし、「e-Taxは難しいから」とあきらめていた個人事業主に朗報です。
来年からe-Taxの手続きが簡単になり、ユーザーIDとパスワードだけでe-Taxが利用できるようになります。
そこで、今日は今までのe-Taxの問題点を振り返りながら、来年からはじまるe-Taxの新しい手続き方法についてご紹介します。
e-Taxとは?
e-Taxの新しい手続き方法の前に、そもそもe-Taxとはなにか?について調べました。
e-Taxとは、以下のような国税に関する各種の手続きについて、インターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシステムです。
これまでの書面による申告書等の持参又は送付による提出方法に加え、申告書等を電子データの形式でインターネットを通じて送信するという、新たな提出方法の選択肢を利用者等に提供するものです。
1.所得税、贈与税、法人税、地方法人税、消費税(地方消費税を含みます。)、復興特別法人税、酒税及び印紙税に係る申告
2.全税目の納税(電子納税証明書の手数料納付を含みます。)
3.申請・届出等(電子納税証明書の請求及び発行を含みます。)e-Taxとはどのようなものですか?より引用
http://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/yokuaru01/01.htm
e-Taxとは、税金に関する申請手続きをインターネットでできる仕組みのこと。
例えば、毎年2月~3月の確定申告をe-Taxで申請をすれば、混雑している税務署に行く必要はありません。
e-Taxで申請手続きするには以下いずれかのアプリを利用します。
- e-Taxソフト(Web版)
- e-Taxソフト(スマートフォン版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
■マイナンバーカード方式とe-Taxソフトでの確定申告手順のブログを公開しました。
今までのe-Taxの問題点
e-Taxは、パソコンがあれば自宅や事務所で確定申告ができるので大変便利です。
しかし、共同通信社の記事によるとe-Taxの利用率は50%あまりとのこと。
■共同通信 「個人番号カードなしで電子納税へ」
https://this.kiji.is/399855765092844641
e-Taxの利用率が伸びないのは、以下2つの問題があるからだと、私は思います。
ひとつが、e-Taxの開始手続きやパソコン周りの初回セットアップが複雑なこと。
確定申告の時期になると、毎年芸能人が「e-Taxで簡単に確定申告できました」と宣伝していますが、あれは初回セットアップが完了しているから。
はじめてe-Taxで確定申告するとき、マインナンバーカードと電子証明書の取得、e-Tax利用者番号の取得、そしてICカードリーダーの設定と認証手続きなど、セットアップがかなり複雑です。
特に、パソコンに詳しくない人々にとって、ICカードリーダーの設定と認証手続きは難しいことでしょう。
もうひとつが、マイナンバーの施行と同時に、確定申告とマイナンバーを紐付けたことで、会計ソフト(free/MFクラウド/やよい会計など)のデータが利用できなくなったこと。
個人事業主の私は「MFクラウド確定申告」会計ソフトで事業の会計処理をしています。
会計ソフトを利用するメリットのひとつが、毎月の経理をしっかり記帳しておけば、年度末には確定申告用のデータ(xtxファイル)ができていること。
確定申告の受付がはじまったら、e-Tax(Web版)に確定申告用データをインポートすれば、確定申告はかんたんに終わります。
しかし、マイナンバーが施行され、確定申告用紙にマイナンバー(個人番号)の記載が必要になったことで、会計ソフトの確定申告データが、e-Tax(Web版)の推奨外になりました。
「MFクラウド確定申告」には以下のような注意書きがされています。
e-Taxソフト用ファイルの読み込みは、ダウンロード版のみ対応しています。Web版には対応がありません。
理由は、会計ソフト(MFクラウド)ではマイナンバーを管理できず、e-Tax(Web版)にマイナンバーを入力する機能もないため、マイナンバー記載の確定申告書がつくれないためです。
推奨外ではありますが、マイナンバーの記載がなくてもe-Taxでの確定申告は受理されていましたが、税務署から連絡が入る場合があるというグレーな状態でした。
ちなみに、私は2年間マイナンバーを記載せずにe-Taxで確定申告をしましたが、今のところ税務署から確認の連絡はありませんでした。
上記2つの理由から、e-Taxの利用率が伸び悩んでいたのではないでしょうか。
e-Taxの新しい手続き方法
税務署はe-Taxの普及率を上げるために、来年(平成31年1月以降)の確定申告(2018年分)から、以下2つの方法で簡単にe-Taxができるようにしました。
- マイナンバーカード方式
- ID・パスワード方式
マイナンバーカード方式
マイナンバーカード方式では、e-Tax開始届け出とe-Tax用のIDとパスワードが不要になりました。
これにより、マイナンバーカード(電子証明書付き)とICカードリーダーがあれば、e-Taxで申告ができるようになります。
恐らく、既にe-Taxで確定申告をしている人は、マイナンバーカード方式になるのだと思います。
ID・パスワード方式
ID・パスワード方式では、IDとパスワードのみでe-Taxで申告ができるようになります。
税務署職員による対面による本人確認の後にIDとパスワードが発行されます。
税務署に1回行く必要がありますが、電子証明書やICカードリーダーといった難しい作業が不要になるため、パソコンに詳しくなくともe-Taxで確定申告ができるようになります。
今後マイナンバーの扱いがどうなるか?
e-Tax開始の手続きが簡略化され、電子証明書やICカードリーダーが不要になったことで、e-Taxがはじめやすくなります。
ただ、今回の改定案では、確定申告書のマイナンバー記載についてが不明確のため、来年から会計ソフトの確定申告データが使えるようになるか、まだ不透明です。
e-Taxソフト(ダウンロード版)がとても使いづらいため、ぜひ、e-Taxソフト(Web版)でマイナンバーを登録できる機能を備えてほしいと思います。
なお、共同通信の記事によると「政府はマイナンバーカードの普及を掲げており、カード不要の新方式は暫定的な対応としている」とのことです。
ID・パスワードでe-Taxをはじめた人が、途中からマイナンバーカード(電子証明書)に切り替えを求められたら、余計に混乱すると思うのは私だけでしょうか。
まとめ
忙しい時期に混雑している税務署にいくことなく、e-Taxで確定申告ができれば本業に時間を使えるようになります。
また、多くの人にe-Taxで確定申告をしてもらうことで、税務署側はチェック工数を削減できるのではないでしょうか。
来年から、IDとパスワードだけでe-Taxが使えるようになるのはいいことだと思います。
あとは、直ぐに確定申告ができるように、日々の会計をしっかりと記帳しておくことですね。
私も利用している「MFクラウド確定申告」では、日々の記帳をしておけば、年度末には確定申告用データができあがっています。
参考サイト
■国税庁 「e-Tax利用の簡便化について」
http://www.e-tax.nta.go.jp/kanbenka/index.htm
■国税庁 「e-Taxとはどのようなものですか?」
http://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/yokuaru01/01.htm
■共同通信 「個人番号カードなしで電子納税へ」
https://this.kiji.is/399855765092844641
2019/03/10追加
マイナンバーカード方式とe-Taxソフトでの確定申告手順を追加しました。
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