みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
Windows11がリリースされてから1年。
そろそろ、Windows10からWindows11へアップグレードを検討されている方も多いのではないでしょうか。
また、Windowsのアップグレードに合わせてパソコン本体を買い替える方も多いと思います。
しかし、Windows10からWindows11へパソコンを買い替える際、そのままWindows11を使うとOneDriveで問題が起こる可能性があります。
今日は「Windows10からWindows11へパソコンを買い替える際の注意点」について書いていきます。
Windows11とOneDriveの仕様
2021年10月にWindows11がリリースされてから1年が過ぎました。
2022年9月には、Windows11の大型アップデート22H2がリリースされて機能面で変更されています。
その変化なかでWindows11ではマイクロソフトアカウントが必須になり、OneDriveも標準機能として動作するようになりました。
OneDriveはマイクロソフト社のクラウドストレージサービスです。
Windows11を標準セットアップした後のOneDriveの仕様と標準設定は以下のとおりです。
- 保存容量:5GB(フリープラン)
- バックアップ機能有効
バックアップ機能とは、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャフォルダをOneDriveに同期する仕組み - ファイルオンデマンド:有効
ファイルオンデマンド機能とは、ファイルをクラウドのみに保存し、ファイルの見出しのみをパソコン上に残すことで、パソコンの保存領域を節約する仕組み
上記のマイクロソフトアカウント必須化とOneDriveの標準化が、Windows10からWindows11へ買い替える際の問題点となります
特にパソコンを買い替えタイミングでWindows10からWindows11にアップグレードした際に、標準設定のまま古いPC(Windows10)から新しいPC(Windows11)へデータを移行すると、OneDriveの容量不足、Outlookの動作不良が起こる可能性があります。
Windows10からWindows11へパソコンを買い替える際の注意点
先日、パソコンの買い替えと同時にWindows10からWindows11へアップグレードされる方のサポートをしました。
そのお客様は、これまでWindows10を以下の状態で使用していました。
- Windows10にローカルアカウントでログイン
- ドキュメント・ピクチャフォルダに10GB以上のデータ保存
- OutlookをPOP3で受信(メールデータをPSTファイルで管理)
- Windows10でOneDriveは使用していない。
Windows10へWindows11へパソコンを買い替える際、当然、新しいパソコン(Windows11)へ10GBのデータ移行しOutlookを使えるようにします。
しかし、OneDriveを初期設定のままでデータ移行するとバックアップ機能により以下の不具合が発生します。
- デストップ・ドキュメント・ピクチャデータが同期されOneDriveの保存容量オーバーとなる
- OutlookのPSTファイルで同期エラーとなる。最悪の場合、Outlookの起動が遅くなったり、起動しなくなったりする
OneDriveは容量制限(5GB)を超えてからエラーを出すこと、ファイルオンデマンド機能により、中途半端にOneDriveを停止させるとパソコンからデータが消えたかのように見える動きをします。
2022年12月現在、Windows10からWindows11へパソコンを買い替えるとOneDriveで上記のような問題が起こると思われます。
また、Windows11セットアップ中にOneDriveの仕様を説明されることがないため、OneDriveの仕様を知らない利用者が古いパソコンから新しいパソコンへデータを移行すると以下の事象が発生します。
- パソコンを買い替えたら勝手にデータがOneDriveに保存され、しかも容量不足で有料プランを提案される
- パソコンの保存容量が1TBあったとしても、オンデマンド機能によりデータがクラウド上のみに保存されてしまう
- 焦って、OneDriveを止めるとパソコンからデータが消えたように見える
- OutlookをPOP3(PSTファイル)で使うと、Outlookの起動が遅くなるなどの問題が起こる
実際にWindows11にアップグレードしたことでのOneDriveとOutlook関連のトラブルサポートの依頼が増えております。
Windows10からWindows11へ買い替える際の対策
繰り返しになりますが、Windows11ではマイクロソフトアカウントが必須になり、OneDriveも標準機能として動作するようになりました。
Windows10からWindows11へパソコンを買い替える際の問題点はOneDriveのファイルオンデマンド機能とバックアップ機能です。
Windows11に乗り換える際、Windows11のOneDriveで以下の設定を事前に行っておくと、Windows11とOneDriveを問題なく使えます。
- OneDriveを使わないのであればOneDriveを無効化しておく
- バックアップ機能を使わない、もしくはデスクトップ・ドキュメント・ピクチャフォルダのデータ容量が5GB超える場合は、バックアップ機能の無効化しておく
- パソコンの保存容量が多い場合はファイルオンデマンド機能を無効化しておく
- バックアップ機能を使う状態で、OutlookをPOP3で使用する場合は、PSTファイルの保存場所をドキュメントフォルダ以外にしておく
参考まで、OneDriveのバックアップ停止する際の手順を簡単にまとめておきます。
まず、OneDriveに保存されたデータをパソコン内に取り戻すために、ファイルオンデマンド機能を無効し、ファイルをすべてダウンロードします。
続いて、OneDriveのバックアップ機能を停止します。
バックアップ機能を停止すると、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャファイルが消えたようにみえます。最近、バックアップを停止するとデスクトップ上に「ファイルの場所」というアイコンが表示されるようになっています。
「ファイルの場所」アイコンをクリックするとOneDrive内にデスクトップ・ドキュメント・ピクチャデータフォルダがあり、このフォルダにOneDriveにアップロード(バックアップ)されたファイルがありますので、パソコンの所定の場所にデータを移動・コピーします。
この時、OutlookでPSTファイルを使用しているとOutlook側での設定変更が必要になることがあります。手順は以下のブログでまとめていますのでご参考ください。
まとめ
現時点では、パソコン買い換えの際にWindows10からWindows11へアップグレードし、古いパソコン(Windows10)から新しいパソコン(Windows11)へデータを移行すると、OneDriveで問題がでるような状態になっています。
OneDriveは正しく使うと大変便利な機能です。
しかし、ユーザーへの仕様説明もなく、OneDrive機能の有効・無効の選択肢も与えずに、OneDriveを動かすから「OneDriveは問題ある」という状況になっていると思います。
Windows11に新しい機能を追加するのもいいですが、もっとユーザー側に仕様や機能の説明をすること、機能の使う使わないの判断をユーザーに任せるようにしないと、時が経つにつれてWindows11の問題は広がるような気がします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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