みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市でITサポートを行っているSORAの関口です。
企画書や議事録など重要な資料を作成するとき、間違わないように一字一句校正をしたはずなのに、上司から「ここがおかしい」と誤字脱字を指摘された経験、あなたにはありませんか?
私もブログを書いているとき、間違わないように記事を書いているつもりでも、ブログを公開してしばらくしてから誤字脱字に気づくことがよくあります。
正しい文章を書いているつもりでも、誤字脱字に気づけないのは、人間には「正しい」という思い込みがあるからです。
文章の誤字脱字に気づくためには、思い込みを外し、客観的に文章を見なおすことがポイントになります。
今回は、自分の思い込みを外し客観的に文章を読み上げてくれる「テキスト読み上げソフト」をご紹介します。
正しいと思いこんでいると誤りに気づけない
いきなりですが、あなたに質問です。
下の絵の『老婆』はどこを向いているでしょうか?
そうです。答えは下向きです。
続いてもうひとつ質問をします。下の絵の『若い女性』はどこを向いているえしょうか?
どうですか『若い女性』は見えましたか?
この絵は『妻と義母』という有名な隠し絵です。
妻と義母
多義図形に分類される隠し絵のひとつ。 一枚の絵で、若い女性と年老いた女性の二通りに捉えることができる。
一枚の紙に描かれた一人の人物が、画面奥に顔を向けている若い女性、あるいは横顔を見せている老いた女性の二通りに認知することができる。
若い女性しか見えない場合は、耳を目に、アゴを鼻に、ネックレスを口にする。
老婆しか見えない場合は逆に、目を耳に、鼻をアゴに、口をネックレスとして見ることで、両方が見えるようになる。
若い世代では若い女性を最初に認知する人が多く、年配の世代では老婆を最初に認知する割合が高い。
~Wikipediaより引用~
最初に『老婆の絵』と思い込んだ人は『若い女性』は見えず、最初に『若い女性の絵』と思い込んだ人は『老婆の絵』には見えません。
人間の脳は「こうだ!」と一度思い込んでしまうと、違う角度で疑うことができなくなります。
実は文章作成も同じ事が言えます。
多くの場合、文章を作成する目的は、自分の考えや思いを誰かに伝えるためです。
自分の考えや思いを正しく伝えるため、文章は主観(思い込み)で書いていきます。
よって、正しい文書を書こうとすればするほど、「正しい」という思い込みが強くなり、誤字脱字に気づけなくなります。
私がブログを公開してから誤字脱字にはじめて気づけるのは、時間の経過とともに記事に対しての「正しい」という思い込みが外れていくからです。
文章から誤字脱字を無くすためには、文章を書き終えた後に第3者に確認をしてもらうことです。
しかし、周りの人が忙しいと「文章の確認お願いします」とは言いづらいもの。
また、完成した文章を客観的に自分で読みなおすことで、誤字脱字に気づけるのですが、今まで主観で書いていた文章を、いきなり客観的に切り替えて読みなおすのは、至難の業です。
自分ひとりで客観的に文章を読みなおすことができれば、誤字脱字を無くすことができます。
これからご紹介する「テキスト読み上げアプリ」は、主観で書いた文章を客観的に見なおすときに使えるアプリです。
思い込みを外す「テキスト読み上げアプリ」
テキスト読み上げアプリ(音声合成アプリ(TTS))は、テキストデータを音声で読み上げるアプリです。
音声合成アプリは色々な種類がありますが、今回は以下の製品をご紹介します。
FREE TEXT TO SPEECH READER
『FREE TEXT TO SPEECH READER』は無料で使える、クラウドタイプの音声読み上げアプリです。
下記URLにアクセスしテキストボックスに文章を入力すれば、女性の声でテキストを読み上げてくれます。
【URL】
https://ttsreader.com/
『FREE TEXT TO SPEECH READER』はテキスト認識ができるPDFファイルをアップロードして読み上げることも可能です。
ただ、クラウドアプリのため、インターネットに接続していないと使えません。
かんたん!AiTalk
『かんたん!AiTalk』はテキスト読み上げの専用アプリです。
人間に近い自然な音声でテキストを読み上げること、話者の選択、トーンや話速度の調整など細かく設定できるのが特徴です。
読み上げる音声を音声ファイルとして保存できるのは、他のアプリにはない機能です。
私は、自炊した本をOCRで文字認識させテキスト化。そのテキストを『かんたん!AiTalk』で音声ファイル化することでオーディオブックを作成しています。
■音声保存ができる音声合成アプリです
詠太(一太郎プレミアムのプラグイン)
詠太は、ワープロソフト『一太郎プレミアム』に付随する、テキスト読み上げアプリ
(詠太は、HOYA VoiceText音声合成アプリがベースです。)
一太郎で文章を作成し、その文章を詠太で読ませることで、音声で文章校正ができます。
また、詠太をWindowsに常駐させると、クリップボードにコピーしたテキストを読み上げます。
ホームページやWordで作成された文章をコピーすれば、詠太が読み上げてくれます。
この記事もそうですが、私はブログ記事を一太郎で書いています。
一太郎を使う理由が、アウトラインモードがあることと、詠太による音声校正ができることです。
一太郎でブログ記事を書くようになってから、誤字脱字の修正や文章校正の作業時間が短縮することができました。
■音声合成で文章を校正できるアプリです。
機能比較比較
それでは、前項で紹介した3つのアプリの機能を評価比較します。
音声対比
前回のブログ同様に、宮澤賢治の『雨にもマケズ』を各アプリで読み上げました。
FREE TEXT TO SPEECH READER
https://www.youtube.com/watch?v=ruM8nJHCG84明るい女性の声で読み上げてくれます。
ただ、他のアプリと比べると漢字の読み方に誤りが多いです。
かんたん!AiTalk
男性ナレーターの話速1.6 トーン0.91で読み上げました。
https://www.youtube.com/watch?v=X4JkenTNWXY『かんたん!AiTalk』は本物のナレーターが読み上げているように聞こえるので、長い文章を聞いていても苦ではありません。
詠太
https://www.youtube.com/watch?v=Q1Ho_aZEJew女性ナレーターで読み上げました。他のアプリと比べると若干機械的な声に聞こえます。
話者選択
『かんたん!AiTalk』と『詠太』は話者を選択することができます。
例えばAITalkで話者を女の子に設定すると↓のようになります。
https://www.youtube.com/watch?v=SqXz2QVxvP8長い文章や本をオーディオブック化するときに、章毎に話者を切り替えることで、読み上げにメリハリがあり、聞いていても眠くなりません。
トーン調整
『かんたん!AiTalk』と『詠太』は声のトーンを切り替えることができます。AITalkの男性話者のトーンを高くすると↓のようになります。
https://www.youtube.com/watch?v=cqqACuonm1cトーンを高くするだけで、文章の感じ方だかなり変わります。トーンを高くすると。安っぽい文章に聞こえます。
速度調整
3つのアプリともに音声速度を調整できます。AITalkの男性話者の速度を3.5まで上げると↓のようになります。
https://www.youtube.com/watch?v=o_HtM14naa8話速が1.6のとき、すべて読み上げるまでが57秒、話速を3.5にすると、44秒で読み上げます。
オーディオブックなど長文を読み上げるとき、話速を早くすることで短い時間で文章を聞き取ることができます。
余談ですが、速聴することで、脳を刺激して活性化されるという本がありましたが、早い話速で慣れれば、3.5でも普通に聞くことができます。
単語登録
単語登録とは、固有名詞の読み方などを登録する機能です。
例えば、私の名前は剛史(たけし)ですが「つよし」と読むこともできますので、単語登録機能で正しい読み方を登録します。
『AITalk』と『詠太』に単語登録機能があります。
音声保存
3つのアプリのうち、読み上げたテキストを音声ファイルとして保存できるのはAITalkのみです。AITalkはwavファイル形式で保存されます。
一方、『FREE TEXT TO SPEECH READER』と『詠太』には音声ファイルとして保存する機能はありません。
ただ、Windows10のボイスレコーダーを使えば、音声ファイルとして保存することができます。
やり方は、まずWindows10の「サウンド設定」から「録音」タブを開く。オーディオ録音デバイスの既定のデバイスを「マイク」から「ステレオミキサー」に変更をする。
次に、Windows10ボイスレコーダーで「録音」を開始してから「詠太」で読み上げることで、音声ファイル化することができます。
Windows10のサウンド設定の詳細は、こちらの記事が大変わかりやすいので、ご参考ください。
【参考URL】
https://www.billionwallet.com/goods/windows10/win10_voicerecorder.html
文章校正
3つのアプリとも、今読み上げている箇所をハイライト表示するので、テキストを読み上げながら文章校正することができます。
ただ、『FREE TEXT TO SPEECH READER』と『AiTalk』は、アプリのテキストボックスに文書をコピーすることで読み上げるので、文章体裁は無視されます。
一方「詠太」は、一太郎で文章体裁を整えながら文章校正ができます。
また、「詠太」は読み上げた文章を修正すると、修正した文節のはじめから読み上げてくれるので、文章校正→読み上げ→文章校正を文節ごとに校正作業を積み上げていくことができます。
オススメのテキスト読み上げアプリは?
https://www.youtube.com/watch?v=X4JkenTNWXY以上3つのテキスト読み上げアプリを比較評価してきましたが、私が主に使用しているのはの『かんたん!AiTalk』と『詠太』です。
『かんたん!AiTalk』は聞きやすい声と細かな設定、そして音声ファイルとして保存できることが強みです。
長文のテキストやオーディオブック作成時などに大変重宝する音声合成アプリです。
『詠太』は一太郎との親和性がとても高く、一太郎で作成した文章校正時に威力を発揮します。
書き上げた文章をハイライト(視覚)と音声(聴覚)で確認ができるので、誤字脱字の発見はもちろん、不自然な言い回しにも気づくことができるので、一太郎を使う方にはオススメのアプリです。
まとめ
この記事を書き終えたときもそうですが、文章が長くなればなるほど、誤字脱字が増えたり、言い回しがおかしくなったりします。
文章を書き終え、疲れ切った状態で文章校正をしても、主観と「正しい」という思い込みにより、誤字脱字に気づけなかったり、「何を言いたいのかわからない」文章になっていたりします。
文章をそのまま上司に提出をして「ここ文字が違う」と指摘をされるのは、あまり良い気持ちではないですよね。
長い文章を書き終えたときほど、今回ご紹介したテキスト読み上げアプリで文章校正をしてください。自分では「正しい」と思い込んでいた文章の「間違い」に、簡単に気づくことができるようになりますよ。
今回も長文をお読みいただきありがとうございました。
今回のオススメアイテム
■音声保存ができる音声合成アプリです
■音声合成で文章を校正できるアプリです。
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