みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市でITサポートを行っているSORAの関口です。
寒い季節は暖房効率を高めるために各部屋の扉を閉めることが多いと思います。
ただ、扉を閉めると「あれ、Wi-Fiがつながらない・・・」という現象が起きることがあります。
我が家でも「冬になるとWi-Fiがつながらなくなる」という不具合が発生していました。
調査の結果、各扉を閉めることによりWi-Fi電波(2.4Ghz帯)の減衰が原因で、対策として「Wi-Fi中継機を設置」することでWi-Fiトラブルを解決しました。
今回は、部屋の各扉を閉めることでのWi-Fiネットワークの影響と、Wi-Fi中継機の設置方法について解説します。
【2024年版】扉を閉めても安定したWi-Fiを使うために、メッシュWi-Fiのブログを追加しました。
当ブログは2018年作成の記事となります。
2024年現在、部屋の扉を閉めてWi-Fiが安定しない場合は、TP-LinkのメッシュWi-Fiがオススメとなります。
Wi-Fiの更新を検討の方は以下ブログもご参考ください。
部屋の扉を閉め切るとWi-Fiがつながらなくなる
我が家はマンションで一般的なレイアウトです。一般的なマンションの場合、電話設置場所(モジュラージャック)がリビングになるため、Wi-Fiルータの設置場所もその近くになります。
リビングの反対側に「部屋2」と「部屋3」があります。リビングから各部屋の間には廊下の扉と各部屋の扉があります。
各扉を開ければ「部屋2」と「部屋3」でWi-Fiは使えるのですが、廊下の扉と部屋の扉を閉めるとWi-Fiが使えなくなるとのこと。
冬は暖房効果を高めるために各扉を閉めるのでWi-Fiが電波が減衰して「Wi-Fiがつながらなくなる」現象です。
それでは、廊下と部屋の扉を閉めることでWi-Fi電波にどのくらいの影響がでるのでしょうか?
せっかくなので調べてみました。
【2021年版】自宅で安定したWi-Fiを使うために、メッシュWi-Fiのブログを追加しました。
各部屋のWi-Fiの電波強度と速度
上図の3カ所の各扉を閉めた場合のWi-Fi電波の強度と速度を調査しました。
インターネット回線はVDSL方式の為、最大100MBで実測70MB~80MBです。
リビングに設置してあるWi-FiルータはBUFFALO製の「WZR-S600DHP」。このWi-FiルータはIEEE802.11n/a(以下5Ghz帯)とIEEE802.11b/g(以下2.4Ghz帯)に対応しており、2種類の電波を発しています。
調査方法は、GalaxyNote3(Android)スマホにWi-Fi電波計測アプリ「Wifi Analyzer」と回線速度調査アプリ「Speedtest」をインストールし、各部屋各条件の基で5Ghzと2.4Ghz帯で調査しました。
テスト条件1(部屋の扉をすべて開ける)
すべての扉を開けた状態で、各部屋で電波強度と回線速度の調査をしました。その結果は下記のとおりです。
Wi-Fiルータに近い部屋1では5Ghz/2.4Ghz帯ともに電波強度が-50dBM付近で通信速度が38MBps以上。部屋2と部屋3では通信速度が低下しました。特に2.4Ghz帯の通信速度の低下が顕著です。
3-2.テスト条件2(廊下の扉を閉める)
次にWi-Fiルータと部屋2と部屋3の間にある廊下の扉を閉めて調査をしました。その結果は下記のとおりです。
テスト条件3(廊下・部屋の扉を閉める)
次に廊下と各部屋の扉を閉めて調査をしました。その結果は下記のとおりです。
5Ghz帯電波はテスト条件2に比べると通信速度が向上しました。2.4Ghz帯電波は電波強度が更に低下し、テスト時も通信エラーが発生しました。
すべての扉を閉めると部屋2と部屋3では「2.4Ghz帯のWi-Fiがつながらなくなる」原因が特定できました。
Wi-Fi中継機を設置する
今回の目的は、部屋2と部屋3でも安定したネットワーク環境を整えること。その為には以下の方法が考えられます。
- 電波が強いWi-Fiルータを使うこと
- PLC(Power Line Communications)を利用する
- Wi-Fi中継機を設置すること
最近は、より遠くまで電波が届く高感度Wi-Fiルータが販売されています。高感度Wi-Fiルータを使用すれば部屋2/3にも電波が届く可能性がありますが、Wi-Fiルータと部屋2/3の物理的距離は変わらないこと、高感度Wi-Fiルータはコストがかかります。
■参考製品
PLCとは屋内電気配線にネットワーク通信を流す技術です。電気配線は各部屋内に張り巡らされているので、PLCアダプターを各部屋のコンセント設置し、そこにWi-Fiルータを設置すれば各部屋に安定したネットワーク環境を作ることができます。
ただ、PLCアダプターはコンセントに直接挿す必用があるため、電子機器が集中するモジュラージャック付近にPLCアダプター専用のコンセントが確保できないと使用できません。また、この方法だと部屋ごとにWi-FiのSSIDが変わるため、部屋を移動する度に端末Wi-Fi設定を変える必用があります。
■参考製品
Wi-Fi中継機は、弱まったWi-Fiルータの電波を受け取り再発信する専用機器です。初期設定を終えたWi-Fi中継機を部屋のコンセントに挿すだけでWi-Fiルータ(親機)と同じ環境でWi-Fiを利用することができます。
また、Wi-Fi中継機はSSIDローミング(自動切り替え)に対応しているため、部屋を移動しても同じSSIDで接続することができます。
今回は3案の「Wi-Fi中継機を設置する」ことにしました。
Wi-Fi中継機の設置と設定方法
親機がBUFFALOのWi-FiルータのためWi-Fi中継機もBUFFALO製「 WiFi 無線LAN 中継機 WEX-733DHP 」を準備しました。
この「WEX-733DHP 」はコンセント直挿しモデルのため、部屋の空いているコンセント挿すことができ場所をとりません。また、親機・中継機ともにWPS(AOSS)に対応しているため、ワンタッチでWi-Fiの設定ができます。
まず、「WEX-733DHP 」を親機の近くのコンセントに挿しWPSボタンを押します。続いて親機のWPSボタンを押しWi-Fiの初期設定をします。
初期設定後、「WEX-733DHP 」を中継させた部屋のコンセントに挿し、本体LEDで親機の電波が届いていることを確認し設置完了です。
テスト条件4(廊下・部屋の扉を閉め、Wi-Fi中継機設置)
Wi-Fi中継機を部屋2の入り口付近に設置後、すべての扉を閉め部屋2/3で通信テストを行いました。その結果は下記のとおりです。
5Ghz/2.4Ghz帯ともにリビングに近いWi-Fi電波を確保することができ、通信も32Mbps以上出ることを確認できました。
条件3と条件4を対比すると以下のとおりです。
Wi-Fi中継機を設置することで2.4Ghz帯で大きな改善が見られました。
まとめ
Wi-Fi中継機を設置したことで部屋2と部屋3でも安定した通信ができるようになりました。
Wi-Fi中継機はWPS機能を使えば複雑な設定もなく、部屋の空いているコンセントに簡単に設置することができます。
今回は親機がBUFFALO製のWi-Fiルータのため、中継機もBUFFALO製を設置しました。
基本的にWPS対応しているWi-Fiルータであれば、どこのメーカーの中継機を購入しても大丈夫です。ただ、信頼性という点では、親機と中継機のメーカーは揃えた方が無難です。
「扉を閉め切るとWi-Fiがつながらなくなる」とお悩みの方は、Wi-Fi中継機を設置してみてください。
また、Wi-Fiが不安定だけど「どこに問題があるかわからない」時はこちらの記事もご参考ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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