OneDrive(クラウドストレージ)にオススメの運用方法

みなさん、こんにちは。

埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口剛史です。

2022年1月15日から、当HPのOneDrive関連の記事のアクセスが急増しています。

どうやら著名の方が利用されていたOneDriveでトラブルが発生したことが起因しているようです。

OneDriveは仕様を理解し、正しく設定して使えば便利な機能です。

逆に言うと「仕様を理解せずに、正しく設定をしない」と、最悪の場合データ破損等が発生することがあります。

今回は「OneDriveにオススメの運用方法」について書いていきます。

目次

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OneDriveの最大の問題点

最初に私か感じているOneDriveの問題点について書きます。

OneDriveの最大の問題点は、ユーザーがOneDriveの仕様を理解しないまま使える状態になっていることです。

DropBoxやGoogleDriveなどは、ユーザーがサービスに登録をしてアプリをダウンロードするため「クラウドを使いたい」というユーザー側の目的と意思が明確です。

一方、OneDriveは、Windows10・11セットアップ時にマイクロソフトアカウントでのログインを強要し(※)、マイクロソフトアカウントでWindowsにログインするとOneDriveが有効になり、ユーザー側は目的と意思もなくクラウドサービスを使える状態になります。

※ローカルアカウントでセットアップするにはネットワーク設定をあえて無視する必要があります。

次に、Windows上に「バックアップ機能を有効にしますか?」という通知を出して、パソコン内のデータをOneDrive内に保存するように促す。

ユーザーは、この段階でもOneDriveの基本保存容量が5GBしかないこと、バックアップ機能を有効にするとパソコン内のデータ(デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ)がすべてOneDriveに保存されてしまうこと、同一マイクロソフトアカウントで複数台のパソコンを使うと、アプリによっては同期エラーによりデータ破損が発生する可能性があることを知りません。

その状態でパソコンを使い続け、ネットワーク障害時にパソコン内のデータが開けない、同期エラーによりアプリが使えなくなるなどの、システムトラブルが発生したときに、はじめてOneDriveの仕様を知ることになります。

これはOneDriveの技術的な問題ではなく、OneDriveの仕様やリスクをユーザーに一切説明していないことが最大の問題点ではないでしょうか。

クラウドサービスの競争が激しいなかで、OneDriveのメリットを目立たせて、その裏にある仕様やリスクの説明を省きユーザーを獲得したい。悪い書き方をすれば、ユーザーのデータを人質のように扱おうとしているのがマイクロソフトの現状だと思います。

OneDriveは正しく使えば便利なサービスです。

私は長らくOneDriveを使用していますが、複数台のPC同期によるAmazon Kindleのデータ破損が1回ありましたが、それ以降はデータ消失や破損等は1度も発生していません。

ただ、マイクロソフトやOneDriveを100%信用していないので、OneDriveになにかトラブルがあったときは、直ぐに別のデータを使えるように備えています。

OneDriveの仕様と設定上の注意点

OneDriveの仕組み

OneDriveを安定して使うためにはOneDriveの仕様を理解して、正しく設定しておく必要があります。

OneDriveとは、マイクロソフトのクラウドストレージサービスでWindowsとクラウドを同期するアプリケーション。OneDriveフォルダにデータを保存すると、クラウド上にもデータが保存される仕組みです。

マイクロソフトアカウントでWindowsにログインするとOneDriveが自動的に有効になり、初期設定のフリープランで保存できる容量は5GB。Microsoft365などのサブスクリプションに契約すると1TB~が保存容量となります。

DropBoxやGoogleDriveなどのクラウドサービスとは異なる点が、OneDriveはWindows標準の機能として備わっているため、Windowsユーザーには使いやすい状態になっていることです。

しかし、OneDriveの「ファイルオンデマンド機能」と「バックアップ機能」を理解して正しく設定しておかないとトラブル時に混乱することになります。

ファイルオンデマンド機能

OneDriveファイルオンデマンド

ファイルオンデマンドとは、パソコンのOneDriveフォルダ内に保存されたデータを、すべてクラウドにアップロードすることで、パソコンの保存容量を節約する機能。

クラウド上にあるデータの見出しだけがパソコンに残され(雲のアイコン)、見出しをクリックするとデータがダウンロードされてファイルが開けるようになる仕組み。

ファイルオンデマンド機能は、パソコンの保存容量を節約するメリットの反面、インターネットにつながっていないとファイルが開けないデメリットがある。

注意点としては、OneDriveの初期設定ではパソコンの保存容量が2TBあったとしてもファイルオンデマンド機能は有効になっていること。

そのため、パソコンの保存容量とOneDriveの保存データ容量で、ファイルオンデマンド機能のON/OFFを設定すること。

バックアップ機能

OneDriveバップアップ機能は、Windowsパソコン内の以下のフォルダをクラウドと同期する仕組み。

  • デスクトップ
  • ドキュメント
  • 写真

OneDriveのバックアップ機能の本質は”デスクトップ”・”ドキュメント”・”写真”のフォルダを双方向に同期しているだけ。

この仕様故に、同一マイクロソフトアカウントで複数台のWindowsを使うと複数のPC間で不本意にファイルが同期されてしまい最悪データが破損する。

OneDriveバックアップ

注意点としては、同一マイクロソフトアカウントで複数台のPCを使用する場合はバックアップ機能を無効にするか、同期により不具合が起こしやすそうなアプリのデータ保存先をドキュメント以外に指定すること。

心理カウンセリング空

OneDrive(クラウドストレージ)にオススメの運用方法

OneDriveオススメの構成

OneDriveをトラブルなく安定して使用するには、正しい設定とOneDriveのバックアップ環境を作ることです。私の使用環境について説明します。

私は以下の機器でOneDriveのデータのやりとりをしています。

  • メインパソコン(デスクトップPC)
  • モバイルパソコン(SurfacePRO)
  • スマホ(Android)
  • NAS(SynologyNASサーバ)

基本的に、日々のデータはOneDriveに保存しています。

メインPCはディスク容量が大きいためOneDriveのデータをすべてPC内に保存しクラウドと常に同期(ファイルオンデマンドOFF)、バックアップ機能は無効(※)。

モバイルパソコンは、ディスク容量が少ないため、OneDriveのデータを保存せず必要に応じてダウンロードする。(ファイルオンデマンドON)バックアップ機能は無効(※)。

※パソコン内の重要データは手動でNASサーバにバックアップをしています。

スマホは、必要に応じてOneDriveを参照する。

NAS(Synology製)は、1日1回、作業時間外の深夜にOneDriveと同期(ダウンロードのみ)する。

Synology CloudSyncアプリ

Synology CloudSyncアプリ


Synology CloudSyncアプリ

Synology CloudSyncアプリ

NASを1日1回の同期にしているのは、OneDrive上のデータに消失・破損があっても1日前のデータを取り戻せるようにするため。(メインPCとNASは同一LAN上にあるため、SMBファイル共有で直接アクセス可能)

また、NASにはNASバックアップ用の外付けHDDがあり、こちらも1日1回外付けHDDへ自動バックアップをしている。

Synology NAS USBCopyアプリ

Synology NAS USBCopyアプリ

NASで、OneDriveのバックアップと外付けHDDのバックアップに時間差をつけることで、2日前までデータを復元することができます。

あとは、NASの設定次第で7日前までのデータを復元するなども可能になります。

他にも様々な方法があると思いますが、クラウドサービスを過信せず依存せずに、クラウドとオンプレミス(自前運用)を使い分けることがポイントになると思います。

まとめ

OneDriveをはじめとするクラウドサービスは便利なサービスです。

しかし、クラウドと言っても所詮はインターネット上にあるデータストレージサーバーの集合体です。

インターネットもストレージサーバーも機械であり、必ず障害や故障があります。事実、先日某クラウドサービスでデータ消失事故があったようです。

クラウドを過信せずに、自分のデータは自分で守る必要があります。

そのためには、自分が使用しているクラウドサービスの使用と仕組みを理解したうえで自分の利用環境にあった設定をしておくこと。

クラウドで障害が起きてもデータを取り戻せるようにする環境を作っておくことが大事だと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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