みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市のITサポートSORAの関口です。
最近、Outlook(New)でのトラブル相談が急増しています。
先日、静岡県のお客様から「Outlook(New)を設定後、メールは受信できるのに送信ができない」というご相談をいただきました。
原因は、Outlook(New)の新しい仕様によるものでした。
今日は、このトラブルについて詳しく解説していきます。
Outlook(New)でメールが送信できないトラブルサポート

お客様が、ビジネス用の独自ドメインのメールアドレスをOutlook(New)で設定したところ、メールの受信はできるものの送信ができないというトラブルが発生しました。
別PCのOutlook(Classic)では同じ設定で送受信が正常に動作しており、Outlook(New)の設定にも問題がないため、「なぜメールが送信できないのか」とご相談いただきました。
リモートサポートでOutlook(New)を確認したところ、独自ドメインはお名前.com(GMO)のレンタルサーバを利用していました。
Outlook(New)でメール送信を試みると、すぐにエラーメールが表示されます。
エラーコードはSMTP 554(Transaction failed:メール転送処理の失敗またはSMTPサービスの不在)で、Outlook(New)とSMTPサーバ間の接続に問題があることが分かりました。
お名前.comのメールサーバの仕様を確認した結果、「国外からのSMTP認証のアクセス制限」が有効になっていることが原因で、Outlook(New)からメールが送信できない状態でした。

メールサーバ側で「国外からのSMTP認証のアクセス制限」を無効に変更すると、Outlook(New)でメール送信が可能になりました。
しかし、ここで疑問が残ります。
なぜ、同じメール設定でも、Outlook(Classic)では問題なく、Outlook(New)では制限を受けてしまうのでしょうか。
これはOutlook(New)の新しい仕様が影響しています。
Outlook(New)でメール送信ができなかった本当の原因
今回のトラブルの原因は、お名前.comのメールサーバで「国外からのSMTP認証のアクセス制限」が有効になっていたことでした。
では、なぜOutlook(New)でメールを設定すると、このSMTPのアクセス制限の影響を受けてしまうのでしょうか。
それは、Outlook(New)がマイクロソフトの海外クラウドを経由して通信を行っているからです。
Outlook(New)の詳しい仕様は以下のブログで解説しています。

今回のトラブル事例に焦点を当てて説明します。
これまでのOutlook(Classic)では、Outlookとメールサーバとが直接通信をしていました。

しかし、Outlook(New)では、Outlookはマイクロソフトクラウドと通信し、マイクロソフトクラウドがメールサーバと通信する2段階構成となっています。

この2段階構成の仕様とマイクロソフトクラウドが海外にあるため、お名前.comの「国外からのSMTP認証のアクセス制限」の影響を受けることになりました。
お名前.comが国外からのSMTP接続に制限をかけていた理由は、海外からの不正な迷惑メール送信を防止するためのセキュリティ対策でした。
しかし、このセキュリティ対策が、Outlook(New)の仕様変更により支障をきたすこととなり、結果的にセキュリティ機能を緩和せざるを得なくなりました。
まとめ
Outlook(New)では大幅な仕様変更が行われ、すべてのメール送受信をマイクロソフトクラウド経由で行うようになりました。
本来であれば、Outlook(New)を使う前に新しい仕様をしっかりと説明し、ユーザーに理解してもらう必要があると思うのですが、Outlook(New)初期設定時の説明はわずか5行で終わっています。

マイクロソフトはOutlook(New)への完全移行を目指しているようです。
これにより、私たちの個人メールのほとんどがマイクロソフトクラウドを経由することになります。
しかし、このクラウド内での具体的な処理内容が不透明なまま、Outlook(New)への移行が急速に進められているという懸念があります。
そして、多くの人がそのことを理解しないままOutlook(New)を使っています。
やがて大きな問題に発展しなければよいのですが…。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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