みなさん、こんにちは。
埼玉県ふじみ野市でITサポートを行っているSORAの関口です。
2017年10月17日に、Windows10の『Fall Creators Update』がリリースされました。
今回のアップデートでは、3DペイントやWindows INKのグラフィック系の機能強化、OneDriveのファイルオンデマンド対応などの改善がされています。
Windowsの大型アップデートによる新しい機能追加は楽しみですが、その一方で大型アップデートによる不具合発生の不安もあります。
以前も、Windows10アップデート後に「共有フォルダにアクセスできない」不具合が発生しましたが、今回の『Fall Creators Update』では「ログオン時にネットワークドライブに接続できない」不具合が、私の環境では発生しています。
今回のブログでは、「ログオン時にネットワークドライブに接続できない」不具合の原因と解決方法について書いていきます。
システム構成図(前提)
まず、問題が起きているシステム構成図を説明をします。
私の事務所のシステム構成図は以下のとおりです。
ノートパソコン(Surface Pro 3 Windows10)とNASサーバー(IO-DATA LAN DISK)がLAN接続されていて、NASサーバー上に共有フォルダが設定してあります。共有フォルダのひとつが音楽ファイル専用のフォルダです。
ノートパソコンでは、音楽共有フォルダに対して「ネットワークドライブ接続」を設定し、ノートパソコンの音楽プレイヤー(MusicBee)で音楽を聴いています。(※この構成にすることで、ノートパソコンの保存領域を節約できます)
Windows10のネットワークドライブは「サインイン時に再接続する」設定にしてあるため、Windows10ログインすると自動的にNASサーバー上の共有フォルダをネットワークドライブとして接続をします。
しかし、Windows10『Fall Creators Update』を適用後、ログイン時のネットワークドライブ自動接続ができず、MusicBeeで再生エラーがでるようになりました。
3.ネットワークドライブの問題と原因
過去にもWindows10のWidouwsUpdate後にNASサーバーの共有フォルダにアクセスできなくなる不具合が発生しました。
この時の原因は、「マイクロソフトアカウント」と「ローカルアカウント」の関連付けの問題で「Windows資格情報」を入力することで解決できました。
しかし、今回の問題は前回とは異なります。
Windowsログイン後、再接続に失敗したネットワークドライブ(共有フォルダ)を開くと、認証エラーもなく共有フォルダにアクセスできるので、認証やローカルアカウント関連の問題ではありません。
ネットワークドライブ接続の設定を1回クリアにして、ネットワークドライブの再設定をしても、Windows10を再起動するとネットワークドライブの再接続エラーになります。
この状況から考察すると、Windows10起動時にネットワークドライブ接続プロセスが動いていないか、もしくは正しい認証アカウントでも認証エラーになっているのどちらかだと思われます。
Windows起動後、再接続できなかったネットワークドライブは、エクスプローラーで1度開けばアクセスできるので大きな問題ではありません。
しかし、Windows10を起動する度に手動でネットワークドライブを接続するのは面倒なので、WSH(Windows Script Host)プログラムを作って自動で再接続をすることにしました。
ネットワークドライブの問題解決への手順
Windowsでは、WSH(Windows Script Host)という簡単なプログラムを作ることができます。
WSHとタスクマネージャーを使って、ログオン時にネットワークドライブの自動で再接続をできるようにします。
1.メモ帳を開きます。
2.メモ帳に下記WSHプログラムを入力します。
【記述例】
WScript.sleep 3000
Set objNetwork = CreateObject(“WScript.Network”)
objNetWork.MapNetworkDrive “フォルダ名:”, “¥¥ネットワークパス”
私の環境では下記の記述になります。
WScript.sleep 1000
Set objNetwork = CreateObject(“WScript.Network”)
objNetWork.MapNetworkDrive “Z:”,”¥¥192.168.0.5¥itunes”
注)上記プログラムをコピーして使用する場合は、¥マークを半角にしてください。
なお、WSHについては「いずたまラボ」様のサイトを参考にさせていただきました。
http://izutamalabo.com/archives/281
3.任意のフォルダにファイルを保存します。「名前をつけて保存」を選択、ファイル種類を「すべて」ファイル名をファイル名.vbsとします。
例)itunes_access.vbs
4.WSHプログラムの動作確認をします。まず、ネットワークドライブが接続されている場合は、1回切断をします。
5.ネットワークドライブが切断された状態で、3項で作成したスクリプトファイルを実行(ダブルクリック)します。
実行後、ネットワークドライブが接続されればWSHプログラムの完成です。
6.作成したWSHプログラムをWindows10ログイン時に自動実行させるために「タスクスケジューラー」を開きます。
コルタナ検索窓に「タスク」と入力すると「タスクスケジューラ」が表示されるので選択します。
7.タスクスケジューラの「基本タスク作成」を選択
8.「タスク名を入力」して「次へ」を選択
9.「ログオン時」に開始を選択して「次へ」
10.「プログラムの開始」を選択して「次へ」
11.「参照」を選択
12.3項で保存したWSHプログラムを「開く」
13.ファイルパスが指定されたことを確認して「次へ」
14.「完了」を選択
15.タスクスケジューラの「アクティブなタスク」にタスクが登録されたことを確認
16.Windows10を再起動し、ネットワークドライブが自動接続されていることを確認して、作業完了です。
※今回は「タスクスケジューラ」を使用しましたが、WindowsスタートアップフォルダにWSHプログラムを入れてログイン時に実行させる方法でもOKです。
まとめ
Windowsの大型アップデートによる新しい機能追加は楽しみですが、一方で大型アップデートによる不具合発生の不安もあります。
そして、Windows10ユーザーの多くの人は新しい機能追加の楽しみよりも、今までどおり使えることの安定を求めると思います。
2016年7月に公開した「Windows10 アップデート後の共有フォルダにアクセできない」のブログ記事は、今でも多くのアクセスがあります。
それだけ、Windows10アップデート後に共有フォルダ関連の問題が発生しているのでしょう。
Windows10の大型アップデートは、WindowsUpdate時に自動的にインストールされるため、アップデートされたことを認識できていないユーザーから見れば「あれ、急に共有フォルダやネットワークドライブにアクセスできなくなった」という問題に直面します。
だからこそ、アップデートでは新機能追加よりも安定であることが大事だと、私は思います。
Windows10の大型アップデートは今後も予定されています。
新しい機能追加もいいですが、どうか今まで使えていた機能は、そのまま使えるようにしていただきたいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (7件)
こんにちは。
私も以前から全く同じ対処をしています。
当初はこれで良かったのですが、なぜか最近再発するようになったため、スクリプトに手を加えました。
上記のサンプルを元にすると、こんな感じ。
接続をやる前に既存ネットワークドライブの切断をあえて行っています。
WScript.sleep 1000
Set objNetwork = CreateObject(“WScript.Network”)
objWshNetwork.RemoveNetworkDrive “Z:” ←追加したのはこれだけ。
objNetWork.MapNetworkDrive “Z:”,”¥¥192.168.0.5¥itunes”
こんにちは。
なるほど。
ブログで紹介したスクリプトに
objWshNetwork.RemoveNetworkDrive “Z:” の1行を加えて
接続前に既存ネットワークドライブの切断をすると、
より接続が安定しそうですね。
今のところ私の環境ではブログで紹介したスクリプトで問題ありませんが、
5963様と同じ不具合がでるのも時間の問題かも知れませんね。
貴重な情報ありがとうございます。!
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