【WIN10】FallCreatorsUpdateで自動的に削除されたSMBv1を再インストールする方法

みなさん、こんにちは。

ITサポートSORAの関口です。

Windows10を利用しているみなさんに質問です。

Windows10は大型アップデートをする度に、ネットワーク関連のところで「今まで使えていたものが使えなくなる」現象が起きませんか?

当方の環境では、大型アップデート後に「共有フォルダにアクセスできない」「ネットワークドライブがつながらない」などの現象が発生しています。

今回もWindows10 FallCreatorsUpdate後、ある条件の端末からNASにアクセスできなくなる問題が発生しました。

原因は「SMBv1」が自動的に削除されたことでした。

今回は、FallCreatorsUpdate後にSMBv1 が自動的に削除される条件と、削除されたSMBv1を再インストールする方法についてお伝えします。

目次

リモートサポート

SMBv1問題の発生状況

まず、SMBv1問題のネットワーク構成は上図のとおり。

FallCreatorsUpdateを適用した「SurfacePro」と「VENUE」が2台と、NAS(IO-DATA製 LANDISK(HDL-T1)がLAN(LocalAreaNetwork)でつながっている。

1台のWindows10(VENUE)からNASにアクセスした際に下記のメッセージが表示されるようになった。

安全でないためファイル共有には接続できません。この共有には最新ではないSMB1プロトコルが必要です。

そのプロトコルは安全でないため、システムが攻撃にされされる可能性があります。

このシステムにはSMB2以降を使用する必要があります。この問題を解決する方法の詳細については次のページを参照してください。

https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=852747

もう1台のWindows10(SurfacePro)は、今までどおりNASにアクセスができ、エラーメッセージは表示されない。

「SurfacePro」と「VENUE」の違いはどこにあるのだろうか。

SMBv1問題の原因

SMBとは、Windowsコンピュータ間でのファイル共有やファイルを転送するための通信プロトコル。

最新のSMBはSMBv3

Windows10 FallCreatorsUpdateの既定では、SMBv1はインストールされなくなった。

その結果、FallCreatorsUpdateを適用したWindows10から、SMBv1で通信しているNASにアクセスできなくなり、上記のエラーメッセージが表示された。

マイクロソフトのホームページには以下のように記載されている。

概要

Windows 10 Fall Creators Update と Windows Server バージョン 1709 (RS3) では、既定でサーバー メッセージ ブロック バージョン 1 (SMBv1) ネットワーク プロトコルがインストールされなくなりました。 2007 年以降、このバージョンは SMBv2 以降のプロトコルに置き換えられました。 マイクロソフトは 2014 年に SMBv1 プロトコルの非推奨を発表しました。

Windows 10 Fall Creators Update と Windows Server バージョン 1709 (RS3) では、SMBv1 の動作は次のようになります。

  • SMBv1 には、別にアンインストールすることができるクライアント用とサーバー用のサブ機能があります。
  • Windows 10 Enterprise と Windows 10 Education をクリーン インストールした場合、既定で SMBv1 クライアントまたはサーバーはインストールされなくなりました。
  • Windows Server 2016 をクリーン インストールした場合、既定で SMBv1 クライアントまたはサーバーはインストールされなくなりました。
  • Windows 10 Home と Windows 10 Professional をクリーン インストールした場合、既定で SMBv1 サーバーはインストールされなくなりました。
  • Windows 10 Home と Windows 10 Professional をクリーン インストールした場合、既定で SMBv1 クライアントはインストールされます。 SMBv1 クライアントが使用されていない期間 (コンピューターの電源が切れていた期間を除く) が合計 15 日間になると、SMBv1 は自動的にアンインストールされます。
  • Windows 10 Home と Windows 10 Professional のインプレース アップグレードと Insider フライトの場合、初期段階では SMBv1 は自動的に削除されません。 SMBv1 クライアントまたはサーバーが使用されていない期間 (コンピューターの電源が切れていた期間を除く) が合計 15 日間になると、それぞれが自動的にアンインストールされます。
  • Windows 10 Enterprise と Windows 10 Education のインプレース アップグレードと Insider フライトの場合、SMBv1 は自動的に削除されません。 これらの管理対象環境では、管理者が SMBv1 のアンインストールを判断する必要があります。
  • 15 日後の SMBv1 の自動削除は 1 回限りの処理です。 管理者が SMBv1 を再インストールすると、アンインストールは再試行されません。
  • SMB バージョン 2.02、2.1、3.0、3.02、および 3.1.1 の機能は、SMBv2 バイナリの一部として既定で完全にサポートされ、含まれています。
  • コンピューター ブラウザー サービスは SMBv1 に依存しているため、SMBv1 クライアントまたはサーバーがアンインストールされた場合、このサービスもアンインストールされます。 つまり、エクスプローラー ネットワークは、従来の NetBIOS データグラムの参照方法を使用して Windows コンピューターを表示できなくなります。
  • SMBv1 は、現在でも Windows 10 および Windows Server 2016 のすべてのエディションにインストールできます。
  • SMBv1 のみをサポートするデバイスに接続する場合、またはそのようなデバイスから接続が試行された場合、次のようなエラー メッセージを受け取ることがあります。

引用元 マイクロソフト社ホームページ
https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=852747

「SurfacePro」「VENUE」どちらもWindowsUpdateでFallCreatorsUpdateを適用した。

なぜ、FallCreatorsUpdate後に「SurfacePro」は今までどおりSMBv1で通信できたのに対して、「VENUE」はSMBv1で通信できなくなってしまったのだろうか?

その答えは以下の記載にある。

Windows 10 Home と Windows 10 Professional のインプレース アップグレードと Insider フライトの場合、初期段階では SMBv1 は自動的に削除されません。

SMBv1 クライアントまたはサーバーが使用されていない期間 (コンピューターの電源が切れていた期間を除く) が合計 15 日間になると、それぞれが自動的にアンインストールされます。

引用元 マイクロソフト社ホームページ
https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=852747

要は、FallCreatorsUpdate適用後、「SurfacePro」はNASに15日以内にアクセスしたことでSMBv1が残り、「VENUE」は15日以内にアクセスしなかったことでSMBv1が自動的に削除されたことが原因。

心理カウンセリング空

SMBv1問題の解決策

今回の問題の原因は、Windows10がSMBv3 にアップデートされたのに対し、NASがSMBv1を利用ていること。

よって、SMBのバージョンを合せることで問題は解消される。

セキュリティの観点から言えば、NAS側をSMBv3へバージョンアップするか、SMBv3に対応したNASを購入することが理想。

しかし、NAS(LANDISK)のファームウェアをバージョンアップしてもSMBv3にならず、現在も問題なく使えているNASをSMBv3 にアップデートするためだけに買い換えるのはどうか・・・。

今回は、セキュリティリスクを承知のうえで、「VENUE」にSMBv1を再インストールすることにする。

マイクロソフトは、SMBv3の利用を推奨しております。各自の責任においてSMBv1のインストールを行なってください。

SMBv1の再インストール手順

SMBv1を再インストールするWindows10のコントロールパネルを開く

「プログラム」をクリックする

「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックする

「SMB1.0 /CIFSファイル共有のサポート」項目の+をクリックして展開する

「SMB1.0/CIFSクライアント」にチェックをいれて「OK」をクリックする

「今すぐ再起動する」をクリックする

再起動後、NASにアクセスできることを確認する。

以上

まとめ

今回の問題の原因は、FallCreatorsUpdate後に自動的にSMBv1が削除されてしまったこと。

SMBv1では、従来のWindowsコンピュータ名を使用した通信をサポートしていたため、SMBv1が削除されるとネットワークコンピュータが見えなくなったりコンピュータ名を利用した共有フォルダアクセスに影響がでるのではないだろうか?

通信速度の向上やセキュリティの観点からSMBをバージョンアップしていく事は理解できるが、しかし、15日間使用していないからSMBv1を自動的に削除していいとは思えない。

せめて、削除する前に警告文を表示することが必要ではないだろうか?

Windows10は大型アップデートをする度に、今まで普通に使えていたものが使えなくなると思うのは、私だけでしょうか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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これから購入するNASはSMBv3に対応した製品を選びましょう。

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